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無理しないハースストーン

無理せずハースストーンをやったらどこまで行けるのかやってみる。

3月雑感 ~本当はデッキ構築ガイドを書こうと思っていたのだ①~

雑感

3月である。

ハースストーンにおいて今年の3月は、年に一度のスタンダードの切り替わり直前のひと月だ。【レノ・ジャクソン】とか【ジャスティサー】とかがスタンダード落ちし、新しい環境への期待感もあって、どうしてもこの時期はダレてしまうのかもしれない。

 

そうでなくても、ハースストーンの更新は年に3回なので、4か月を同じカードで戦うのは結構飽きてしまう。

リリース後、最初のひと月はまあ面白い。新しいカードがたくさんあるので新鮮に楽しむことができる。

次のひと月は、大分こなれてくる。強いデッキも見えてくるし、使えるカード、使いづらいカードがわかってくるおかげで、新鮮さは半減している。

残りのふた月は、惰性とマイナーチェンジである。ある程度強いデッキを使いつつ、環境に応じた調整をして、対戦を消化する。

本当なら、最後のひと月なんてそれまでの強デッキで押しまくる感じになるんだけど、今年はちょっと違う。3/1から【ちんけなバッカニーア】と【精霊の爪】が弱体化されたのだ。

これにより、アグロシャーマンを筆頭に海賊を用いた序盤の動きがやや制限されることになった。アグロシャーマンは環境トップクラスのデッキだったので、最後のひと月にして勢力図が絶妙に変わることとなったのだ。

 

やるじゃねえか。

この調整はうまいと言わざるを得ない。明らかに弱体化されるのはアグロシャーマンのみで、それ以外のデッキは全体的に少しスピードダウンする程度。切り替えのタイミングがちょうど月初なので、少し新しい環境で模索する楽しみもある。

実際、アグロ一辺倒のシャーマンはあまり見なくなったし、手探りでいろいろなタイプのデッキとまたマッチングするようになった。最後の一か月だけ環境を動かし、もし失敗してもすぐ次の環境(しかもガラッと変わった新しいスタンダード環境)がやってくるのだ。

ああ、これはうまくやられた。まんまとモチベーションやや上がりですわ。これからは毎回、新規リリースの一か月前にナーフをリリースするといいよ。それぐらいうまく行った感じがする、今回の調整でありました。

 

さて、そんなこんなでちょっと環境が変わって面白くなったものだから、実はせっかく書こうと思っていたテーマがお蔵入りしてしまったのだ。

それは「デッキの作り方」とその効用だ。

 

まず最初に問いたいのは「デッキって何のために作るのか?」ということだ。

 

勝つため。

強くなるため。

ランク戦で上へ行くため。

言葉は違えど意味は同じ。ゲームだからやっぱり勝ちたいんだ。

 

でも、本当にそれが俺の望んだことなのだろうか?

ある程度強いデッキを使いつつ、環境に応じた調整をして、対戦を消化する。

わかっちゃいるけど、淡々と続けるのが苦しい時もある。それなりに飽きているにもかかわらず、ランク戦で上に行くことを目指して戦う。

 

ランク戦で上に行くことを目指して。

 

ここで立ち止まって考えてみよう。

ゲームする目的って何だろうか。「ランク戦で上に行く」ことだろうか。確かに、その目的でプレイしている人はいる。ほかのプレイヤーとしのぎを削り、少しでも強くなりたい。そういったモチベーションは理解できるし、そりゃあ弱いより強い方が楽しいので、強くなる、上を目指す、というのは間違ってはいないだろう。

しかし、ゲームする目的って本当にそれだけだろうか。

 

楽しいからプレイしていたんじゃないのか?

そもそも「勝ちたい」という欲求の奥には「勝つと楽しいから」という、本当の目的が隠れていたんじゃないのか?

 

「いや違う。強くなることは全ての欲求に先立つのだ。私は強くなるためなら、楽しくなくても一向に構わない!」

そんな求道者はまあ、ほっといても戦うだろう。そうじゃなくて、どうにもこの作業に耐えられない、しかしハースストーンはやりたい、という欲張りさんの(というか自分が惰性にならない)ためのデッキ構築ガイドである。

 

体感ではあるが、どんなクズデッキでも10個作れば1つは実戦に耐えうるデッキができる。そのデッキは自分以外に使っていないので、相手は探りながらの対戦を余儀なくされる。さらにこちらのデッキの意図がわからないので、リーサルダメージが出やすくなる。

要は「楽しいデッキ作ると時々それなりのデッキができて、それなりに勝てる上に、誰も使ってないから楽しいよ」ってことである。

これだけだと「当たりが出るまでクズデッキを作り続ける作業」のように聞こえるかもしれない。それは短期的には正しく、当たり以外のデッキは対戦では必要ない。しかし長期的に見ると、実は外れのクズデッキを作り続けるということ自体がとても意味のあることなのだ。

 

その意味とは、環境の変化への対応力ができるということだ。

例えば「なんか面白いデッキできないかな」とか「このカードハマれば強そうなんだけど、どうしようかな」などと考えることは常日頃からあると思う。

そこで、頭で考えるだけではなく実際にデッキを組んでみると、まあ大抵はうまくいかないわけなんだけど、その経験は後に必ず生きる。

新しいデッキを考えて使うということは、誰も使ってないカードの使い方や、思いもよらない動きを知ることにつながるのだ。たとえデッキ全体としては失敗でも、そのカードの使い方は身に着くわけで、そうすると環境が変わった時に「人より引き出しが多い状態」で入っていける。

これってすごく重要。

環境の初期に、デッキのアイデアを数多く出せる人ってのは、日ごろからわけのわからないカードを試していると言っていいと思う。最近流行りの【飛刀手流忍者・六丸】だって、頑なに覚えてた奴が使い出してうまくハマった結果なんだと思う。

環境が変わった時、いきなり【六丸】を使うのは勇気がいる。その勇気の担保となるのが経験だ。たとえファンデッキのレベルであっても【六丸】の使い方を知っているという経験。

それが無ければ突然「デッキに入れてみよう!」とはならないはずで、自分で【六丸】の使い方を考えて、デッキを組んで、あまり勝負にならなくてもそれを覚えてて、隙あらばランク戦の俎上に載せようと考え続けた奴こそが、それをデッキに入れられると思うんだ。

そのために、くだらないデッキでも作り続ける必要があるんだと思う。そして、そこまでひっくるめて、デッキ作りの楽しさだとも思う。

長くなったのでここで一旦終わり。次回への布石として、最近作ったチャレンジデッキを載せておこうと思う。

 

【闇に説くテンポメイジ】

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うーん、チャレンジング。

デッキ名にもなっている通り、このデッキは【闇に説くもの】を使いたい一心で作ったものだ。【闇に説くもの】は、シャーマンで使用して抜け殻を【進化】させるというのがギリギリ良い使い方だと思うのだが、今回はメイジで使用。さらに難しいデッキ構築となった。

基本線はテンポメイジの動きをしつつ、【闇に説くもの】で3/6のスタッツにする恩恵があるミニオンを多く選んだ。

使ってみればわかるが、癖があって強さ的には中程度である。

しかし、こんなデッキでも【ウンゴロ】リリース後に化けるかもしれないのだ。【闇に説くもの】の使い方を知っていれば、4月にいち早く強デッキにたどり着けるかもしれないと、言えなくもない、かもしれない。

  

 (※余談。【飛刀手流忍者・六丸】の英名は【Finja, the Flying Star】であり、「ヒレ-fin」を使った忍術であるところの「フィン術-Finjitsu」の使い手だそうだ。この言葉遊びが素晴らしいのは言うまでもないが、特筆すべきはその日本語訳だ。英名の「Flying」にかけて「飛」という漢字を入れたり、「Star」にかけて「ヒトデ」と読ませたり、さらに「マーロック」をもじって「六丸」にしたりと、凄まじい執念を感じる名付けである。毎度毎度ほんとすごい。敬服します)

 

改宗プリースト、その後

【仁義なきガジェッツァン】リリース直後に、【改宗プリースト】というデッキを作った。

(詳しくは↓からどうぞ)

hsgoma.hatenablog.com

 

簡単にどんなデッキだったのか説明すると、「とにかく相手のミニオンを横取りする嫌がらせデッキ」である。身もふたもない。

しかし当時は天敵の【翡翠ドルイド】が流行っていたため、勝率が5割を下回ってしまった。筆者は仕方なく時流に乗って「とろぐさいきょー」などと、はしたなく叫んでおったそうな。

(ところで、なぜこのデッキは【翡翠ドルイド】に弱いのだろうか。やってみればわかるが、相手が【翡翠ドルイド】のようなロングレンジの場合、勝負はデッキ切れまでもつれ込むことが多い。デッキ切れ間際の【翡翠ドルイド】は【翡翠のゴーレム】を1マナで連打してくるため、処理できずに圧倒的なパワーに押されて負けるというわけである。【ガジェッツァンの競売人】がもりもり動き始めたら、その時点で自爆してもいいと思う)

 

しかし。

 

年が明けしばらく経ち、メタは変わった。

【アグロシャーマン】や【海賊ウォリアー】などの高速デッキや、レノ系のデッキが台頭してくるに連れて【翡翠ドルイド】はその居場所を失っていく。Tempo Stormのメタランキングで、とうとうTier3の13位まで落ちているではないか!(※2017/2/23現在)

 

これはイケる。

マジでイケる。

天敵と言えるほど苦手なのは、今のところ【翡翠ドルイド】だけなのだ。アグロにもコントロールにも、それなりに戦える【改宗プリースト】を、今こそ甦らせよう。プリーストだけに!

 

【改宗プリースト 2.0】

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では、前回から変わった点を説明していこうと思う。

 

out)

真言・栄光】*2

序盤にライフを削られる場面をカバーするために入れていたのだが、結局はその場しのぎだったので抜いた。回復なら【上級回復ポーション】があるし、序盤はヒーローパワーでも十分。

 

真言・盾】*2

盗んだミニオンをより長く使うために入れていたのだが、1マナのわりに序盤は用がないので外した。

 

【オニキスのビショップ】*2

最大の変更点。5マナは他の選択肢を狭めるというのが大きな理由。他のカードでのミニオン処理を優先したいことが多いので、5マナを丸々使えるのは優位を取っている終盤になってしまう。

しかも、終盤に復活するミニオンはバラつきが大きいので、例えば【傷を負った剣匠】を確定で復活させるような価値は持っていないと判断した。

 

【マダム・ゴヤ

【マルシェザール公爵】

これらのレジェンドは地味に効くんだけど、【ゴヤ】は他のカードありきのコンボカードだし、【公爵】はデッキを薄めるので最終的に外した。

 

in)

【禁じられし創造】*1

マナが余ったら使う便利屋。一枚あると、ちょっとしたマナの空白を埋めることができていい。

ただし、序盤に2マナ3マナで使用するのはあまりおすすめしない。序盤の相手ミニオンは呪文(主に【密言・恐】)で処理できるので、こちらがミニオンを使うのは得策ではない。そもそも2~3マナ帯のミニオンは殴らせても大したダメージにはならないから、呪文で効率良く処理できるまでは、ヒーローパワーで地味に回復するのが良いと思う。

従って、このカードの使いどころは5~8マナだ。中盤以降、何か呪文をプレイして相手の盤面を処理した後、5マナ以上余っている時に使おう。そもそも余っているマナなので、できるだけリターンが大きい使い方をした方がいいだろう。

 

【ドブネズミ】*2

通称【レノ・ジャクソン】殺し。レノのみならず【アレクストラーザ】とか【奈落の始末屋】とか、終盤に雄叫びで盤面をひっくり返せるミニオンを、雄叫び無しで出してしまうので、相手のプランを崩すことができる。

また、あからさまなアグロに対していきなり使うことで、防御を固めることもできる。現在の環境では持っていて損はないカードだと思う。

ただし良く言われるように、出てきたミニオンに対しての処理カードは必ず持っておきたい。【埋葬】は6マナ確保できていれば万能。終盤に使うなら【密言・死】は必須だし、序盤は最低でも【狂気ポーション】は欲しいところ。

(余談だけど、【イカれた錬金術師】でアタック6になるので、地味に使える場面があるぞ!)

 

【精神支配技士】*1

1枚あるといいよねシリーズ。相手のミニオンを奪うというコンセプトにも合っているし、横に広げられた時の対処として【密言・恐】以外にも欲しかったので入れてみた。

 

【上級回復ポーション】*1

地味に見えるが、ものすごく重宝する。このデッキは終盤まで行くことが多いので、1枚しかなくても見る機会は多い。

性能的には、なにしろ12点が大きい。アグロ相手だと12点回復されると結構厳しいよね。それだけで採用価値あり。

 

【ドラゴンファイア・ポーション】*1

このデッキ、うまく戦えている時は相手の出すミニオンをことごとく潰して、盤面をクリーンにコントロールできるのだが、何せ相手のミニオンに依存するので、うまいこと奪えなかったり、処理できなかったりすることもある。

そうなると、中盤で相手がミニオンを5体出してきて「次のターンで殴られると危ない」みたいな状態になることもある。

そんな時このカードがあれば、(ドラゴン以外)大体のミニオンを消し去ってくれる。また一から、相手ミニオンのコントロールを始めることができるのだ。

 

【魔力の巨人】*2

明確なフィニッシャーとして入れた。このデッキは呪文が 21枚も入っているので、ほとんどの場合、終盤にほぼコストをかけずに召喚できる。単純に強い。

 

 

さて、そんなこんなで8枚の入れ替えを行ったわけだが、方向性としては「コントロール性能は失わず、フィニッシュを明確にした」というところだろうか。

この形にしてからじわじわと勝ち続け、勝率は53%まで上がって来た。マジで【翡翠ドルイド】さえいなければ、そこそこやれる。

 

最後に、現環境で対戦を繰り返してわかった「プレイングの注意点」を書いておく。

 

・序盤は「溜める」

序盤の攻防でカードを浪費してはならない。極力【狂気ポーション】や【影の狂気】を使って、1枚で2体処理できるようにしよう。

そのためには、1体しかミニオンがいない状態で安易に【密言・痛】など使わないように。まずは相手のミニオンを「溜めて」から「まとめて処理」するのだ。

 

・先のことを考えてカードを使う

目先のミニオンにとらわれて、処理カードを使ってはいけない。これからどんなミニオンが出てきたら嫌なのか、先のターンを見据えたプレイングを心がけよう。

例えば【5/5】のミニオンが場に残っている時、こちらのライフに余裕があるならすぐに【密言・死】で処理しないという選択肢も、頭に持っておこう。

【縮小ポーション】と【密言・恐】が揃っていれば、アタック5までのミニオンはまとめて倒せる。1ターン殴られても、相手がミニオンを出せば、一緒に処理できる数が増える。そうしておけば、余った【密言・死】を【炎の王ラグナロス】に使えるかもしれない。

我慢することで、効率良くカードを使うことができれば、その先の脅威に対処できる確率が上がるのだ。

 

最初は考えることが多く感じるが、使い込むとパズルを解くように、アクロバティックなプレイができるはずだ。

何よりも、このデッキはすごく楽しい。そこそこ勝負になるっていうのも重要だけど、相手のプレイに対していちいち逆手を取っていくのは単純に面白いし、相手がどうするか困っているのを見るのも快感である。

 

ぜひ一度、使ってみてください。 

 

 

さあデッキを掲げ、戦いへ出よう。

これは決して嫌がらせなどではない。

素晴らしき平和のための、改宗なのだ!

 

1月のデッキ事情: テンポレノロックと翡翠進化シャーマン

デッキ

新年である。

そろそろ本格的にランク戦でもやろうかと思ってやっているのだが、いかんせんモチベーションに欠ける。今年のスタンダードに入るタイミングで、ランク戦にテコ入れがされるかもしれないというニュースを聞いたので、何となく期待しようと思う。

俺のプレイスタイルから言うと、そんなにガッツリやらなくてもそこそこに楽しめるシステムがいい。例を挙げるなら、麻雀格闘倶楽部のリーグ戦ぐらいでいい。本気のやつは上に行き、そこそこのやつはそこそこで、しかし皆が十分楽しいというような、いろんなプレイスタイルを吸収する幅広さがあれば理想的だ。

 

なんて言っててもまだその時は来ないので、目下今年一発目のランク戦に参戦中だ。1/13現在ランク15。めっきり衰えたものである。なんせ一日2~3戦しかしてないからな。

で、いまお気に入りのデッキを2つ貼っておこうと思う。どちらもオリジナリティがありつつ勝てるのでよく使っている。

 

【テンポレノロック】

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こいつは【レノズー】という種類のデッキを見かけて、発想が面白いなと思ったので真似て作った。ズーよりミッドレンジ寄りの構成で、テンポを取りながら相手の顔面を殴り勝つ。長期戦になったら【リロイ】⇒【無貌の操り手】で12点(【ソーリサン】からの【凄まじき力】があれば20点)を出して勝負を付けるというのがウイニングプランだ。

この手のハイランダーデッキって今までまともに組んだことなかったんだけど、組んでて楽しいね。環境に合わせたカードの入れ替えが比較的容易だし、気になるカードをピン差ししていく感覚が独特で、どんな環境でも柔軟に対応できるのがいい。ハイランダー用のカードが複数登場したいま、レノロックが上位デッキになっているのも頷ける。

本デッキの特徴は、いわゆるレノロックほど後半勝負でもなく、序盤にアグロに圧倒される場面を減らすためにミッドレンジ構成にした点だ。マナカーブを一般的な(スムーズな)バランスにし、ヒーローパワーを使わなくてもカードが使えるようにしている。

結果として、序盤から中盤に自分のライフを削られる場面を防ぎ、中盤以降の勝ちパターンに持ち込むことができる。とにかく油断すると海賊に削られ負ける今の環境では、このような構成もありかなー。って思いました。

 

まあ前述の通り、こういうデッキは環境に合わせて柔軟に組めるのがいいところなので、いろいろ試してみてはいかがでしょうか。

ところで、このデッキ使ってて何回かあったんだけど、序盤で運よくディスカードzooっぽいプレイングができて、相手が「レノじゃないのかな」と思ってくれたら超ラッキーだ。ライフを削られて慌てるフリをしてから、おもむろに【レノ・ジャクソン】をプレイしよう。爆発してくれるぞ。

 

翡翠進化シャーマン】

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現在メインのデッキである。

低ランクながら導入からの通算勝率80%を誇る。もちろんランクが上がったら普通の勝率に落ち着くと思うが、現状でこれぐらい勝てると心の安寧を保ったまま対戦ができてありがたい。

ではこのデッキ、何が強いのか。

想像するに「進化デッキだと思われない」ところなのではないだろうか。やはり、相手が想像していない動きをするデッキは強い。以前紹介した【動物園パラディン】もそうだが、結局俺はそういうデッキが好きなのだ。相手の裏をかくプレイをした後に、相手の手が止まる瞬間が好きなのだ。そういう場面って、最高に気持ちいいからな。

 

で、このデッキの勝ち筋は何かというと、経験上3つの要素に分けられる。これらの要因が濃淡組み合わさって勝ちにつながる印象である。

 

①【翡翠のゴーレム】を並べて押し勝つ

これはいわゆる翡翠デッキの動きである。翡翠系のカードの引きが良い場合、さらに【ブラン・ブロンズビアード】+【雄叫び翡翠カード】でゴーレムを連打して押し勝つパターンだ。相手にとってもこのパターンは読みやすいので、なかなかこれだけで勝てることはない。

 

ミニオンを並べて【血の渇き】で一気に勝つ

完全に印象論で申し訳ないのだが、今の環境で【血の渇き】を使っているシャーマンがあまりいないのか、警戒が薄くなっているように思える。

基本的なことだが、ミニオンがこちらの場に3体いる場合、【血の渇き】と【炎の舌のトーテム】が1枚ずつあれば、盤面のアタック値プラス13点も出せるのだ。ミニオンが4体ならプラス16点だ。うまく行けば1ターンで相手を倒せるので、常に狙って損はない。ミッドレンジ以上のシャーマンにとっては、忘れてはならない戦法である。

 

③【ドッペルギャングスター】+【進化】

実際このコンボがきれいに決まることはあまりない。しかし、このコンボこそこのデッキの隠れた特質を端的に表しているのだ。

もし6マナあって上の2枚がそろっていたら、脅威を取り除かなければ死んでしまう局面でなければ、迷わずプレイして良い。【ドッペルギャングスター】とそのコピーは全て5マナなので、6マナミニオンが3体出現することになる。なんと6マナで18マナ分のミニオンを並べることができるのだ。6マナミニオンはヘルスもそれなりに多いので、出てしまえば【フレイムストライク】でもなかなか除去されない。相手に大きなプレッシャーをかけることができるのだ。

もちろん、他のミニオンも進化させることができれば、さらに優位に進めることができるだろう。特に【翡翠のゴーレム】は、進化させる用途にあまり使われないため、相手の裏をかきやすい。

カードを詳細に見るとわかるが、【翡翠のゴーレム】のスタッツは [ xマナ x/x ] なのだ。相手は【翡翠のゴーレム】のコストまで意識していないので、進化させると思われにくい。さらにアタックとヘルスが同値なので、相手のミニオンを倒してからヘルスの減った【翡翠のゴーレム】を進化させて実質回復させるといったプレイがやりやすい。 

 

さて、そんなこんなでまとめると、途中まで【翡翠シャーマン】のプレイをしておいて、中盤以降にミニオンを並べて【進化】、さらに【血の渇き】で一気に倒す。それがこのデッキだ。

【動物園パラディン】と同じく、戦法がバレると一気に弱くなるタイプのデッキだが、前回もそんなに流行らなかったしこのブログ程度の影響力なら安全だろう。

本当はもっとメカニクスやプレイングの解説をしたいのだが、今日は疲れたので気が向いたら追記していこうと思う。

 

本年も皆様に良いデッキアイデアが降りそそぎますように。

あと思い切って使った【ヨグ=サロン】が最高の結果を出しますように。

 

追記:1/14

現状のカード追加候補は【ドッペルギャングスター】【翡翠の精霊】をそれぞれ2枚に増やすのと、【退化】の追加。前者は環境に応じた微調整だが、【退化】は一度実戦デッキで使ってみたいと思っているところである。

 

追記:1/24

 

今日、初めてこのデッキと思しき対戦相手と当たった。 こちらは呪文がたくさん入ったコントロールシャーマンである。【ドッペルギャングスター】+【進化】をしっかり決められたものの、呪文で処理してたら勝つことができた。

ありがとう、名も知らぬアジアサーバの友人よ…!

デッキ紹介:改宗プリースト

デッキ

さあガジェッツァンだ!

と、意気込んでみたはいいものの「そんなに食指が動くデッキがないなあ」とお嘆きの貴方へ贈るこの珍デッキ。

 

【改宗プリースト】

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その名も【改宗プリースト】だ。

デッキコンセプトは簡単。相手が嫌がることをし続けて勝つ、である。

これまでも「アンドウィンの方が盗賊に相応しい」「ていうか埋葬マジむかつく」などと、対戦相手にヘイトを抱かせるのに十分な活躍をしてきたプリースト。

今回【仁義なきガジェッツァン】で【狂気ポーション】【縮小ポーション】を手に入れたことにより、その嫌がらせ戦法に十分なカードは揃ったと言えよう。

 

1.キーカード

このデッキのキーは、相手のミニオンを奪うカードである。

【狂気ポーション】と【影の狂気】は、そのターンのみ相手のミニオンを奪うことができるため、奪ってから相討ちを狙う。【カバルの影の僧侶】と【精神支配】は、問答無用で奪えるので相手のキーカードに使えるといいだろう。

【埋葬】もこれまで通り使っていい。ここぞと言うときに相手のとっておきミニオンを奪って、やる気を削ぐのだ。

これらの相手ミニオンを奪う動きこそ、【改宗】の名前の所以である。

 

2.除去カード

奪うだけでなく、デッキには普通の除去も入っている。

【密言・痛】【密言・死】はこれまで通り、嫌なミニオンに使おう。

【密言・恐】はアグロにめっちゃ刺さるし、後述のカードと組み合わせることで全体除去としても使える優れものだ。

 

3.補助カード

上記のカードの中には、ミニオンの攻撃力が条件に当てはまらないと、発動しないものがいくつかある。そんな時に使うのが【縮小ポーション】だ。

こいつはすごいぞ。敵のミニオン全ての攻撃力を-3するのだ。こいつを効果的な場面で使うことで、とんでもないアドバンテージを得ることができる。

例えば相手のミニオン全てが攻撃力5以下の場合、【縮小ポーション】⇒【密言・恐】で一掃できる。また【カバルの影の僧侶】や【影の狂気】の射程に入れて、こちらの物にできる。

ある程度、相手のミニオンが溜まったタイミングで、相手のシナリオをぶち壊すような動きをしていこう(ひどい)。

 

また、地味ではあるが【イカレた錬金術師】も補助的に使うことができる。例えば対ウォーロック戦でこんな配置の時。

 

【インプギャングのボス 2/4】【炎のインプ 3/2】

 

【インプギャングのボス】に対して【狂気ポーション】を使用してこのターンのみ操作権を得る。その後【インプギャングのボス】に【イカレた錬金術師】の効果を使って4/2にする。と、こうなる。

 

  【炎のインプ 3/2】

【インプギャングのボス 4/2】

 

ここから【インプギャングのボス】で【炎のインプ】を殴ると、こちらの場に【インプ 1/1】が発生して、相手のミニオンを一掃しつつアドバンテージを得ることができる。

 

4.プラスアルファカード

相手のミニオンを奪った後、さらにそれをプラスにするカードである。

【影の狂気】などで奪ったカードを相討ちなどの手段でこちら側の場で破壊すると、【復活】【オニキスのビショップ】の効果でこちらの場に復活させることができる。断末魔を持ったカードなんかでこれをやると、相手のカードなのにこちらが2回も断末魔の恩恵を受けることになるので、相手に与える心理的ダメージは非常に大きい。

 

【マダム・ゴヤ】も同様に、【狂気ポーション】などで一時的にこちらの場にあるミニオンに使用する。そうすると、なんとそのミニオンがこちらのデッキに入ったうえで、さらにデッキからミニオンを出せるのだ。つまり相手のミニオンを一体減らした上で、こちらは二体出せることになる。

これ超強い。他の人が使ってるの見たことないけど、さすがレジェンド。元々こちらのデッキに入っているミニオンは少ないので、【マルシェザール公爵】が仕込んだレジェンドの確率も高くなっている。期待しよう。

(ちなみに筆者は一度、この動きでデッキから【ヤシャラージュ】が出てきた)

 

5.カード入替え

上のリストは、アグロデッキが幅を利かせている環境に合わせて作られたものだ。このデッキはミニオン8枚呪文22枚という極端な構成と、『相手のミニオンを奪う』というコンセプトのため、序盤に攻勢をかけられると弱い。【ガジェッツァン】リリース後の『海賊ウォリアー』とかアグレッシブなシャーマンとか、序盤のスピードが速いデッキにはどうしても不利になってしまう。

そこで【真言・栄光】を敵ミニオンに貼り付けて序盤を凌ぐ作戦だ。序盤さえ乗り切れば、速いデッキに対しては【密言・恐】とかで何とでもなる。序盤にライフを削られないようにすれば、相手は息切れして勝機が見えてくるはずだ。

逆に、それほど速くない環境では【真言・栄光】を【マインドゲームス】に入れ替えよう。環境が遅いということは、相手のデッキに入っているミニオンのコストが上がっているはずなので、4マナ支払って得る対価が大きくなるからだ。 

 

6.マリガン

ここまで読んだらわかると思うが、こちらのデッキにミニオンがほぼ入っていない上に、その大半は『相手ミニオンがいて効果を発揮する』ものだ。当然ミニオンはキープしない。

ミニオンがいてこそ効果を発揮する【真言・盾】や、少なくとも一体は破壊しないと意味がない【復活】【オニキスのビショップ】もいらない。

ということは、初手で必要なのは【真言・栄光】【狂気ポーション】【密言・痛】あたりだ。これらのローコスト呪文を駆使して、序盤を乗り切ろう。具体的には、うまく相討ちを狙うなどして4~5マナ目までを最低限のダメージで凌ぐのだ。

4マナあれば【密言・恐】で低攻撃力のミニオンを一掃できる。5マナあれば【縮小ポーション】を使ってから【密言・恐】で、さらに強力な全体除去になる。相手のミニオンを減らして場を取り戻すことができれば、後は【復活】などでどんどんアドバンテージは増すばかりである。

 

あとは、速そうなヒーローだったら【真言・栄光】はキープしたいし、逆に遅そうなヒーローだったら【密言・死】を取っておいてもいいだろう。

ここで気を付けたいのは、候補となるデッキが複数あるヒーローが相手の場合は『速いデッキ』の方を想像してマリガンすることだ。例えばシャーマンとマッチアップしたら、ミッドレンジではなくアグロシャーマンだと思ってマリガンをする。

なぜかと言うと、このデッキは遅いデッキへの対応力は十分あるので、もし相手が遅かったとしても挽回できるからだ。逆にもし相手が速いデッキだった場合は、マリガンでミスしてしまうと取り返しがつかない。挽回する前にライフを削られて負けてしまう可能性が高いだろう。

つまり、シャーマンやウォーロック、ウォリアーと言った『速いデッキも遅いデッキも強い』ヒーローに関しては、常に速いデッキだと思ってマリガンすべし。ということだ。

 

あとは「序盤に出されると不利になるミニオン」に対処できるカードを、意識して取っておこう。例えばシャーマンに対しては【炎の舌のトーテム】がヤバいので【イカレた錬金術師】をキープするなど、とにかく序盤を乗り切るためのカードを意識しよう。

 

7.最後に注意事項

このデッキ、当然まだ対戦相手に使われたことはないのだが、恐らく対戦相手からしたら「すげえムカつく」デッキだと思うので、使用する場面には注意しよう。

具体的には、友達との勝負で使ったりしないようにしよう。多分嫌われる。

このデッキで十数戦したけど、勝つ場面でかなりの相手が「まだカードもライフも残ってるのに」自爆したのだ。きっと、こちらの執拗な嫌がらせに辟易したのだろう。

相手の身になって考えてみれば、そりゃそうだ。出すミニオン出すミニオン奪われて、相討ちされて、しかも向こうは【復活】させることができるのだ。こちらは【シルヴァナス・ウィンドランナー】を一度しか使えないのに、相手はデッキに入れてなくても最大5回出せるのだ。

卑怯だ!

アンドゥイン汚ねえ!

って思われても仕方ない。それだけのことをしているのだからな。

 

そんなようなことに気を付けて使ってみてください。相手のヘイトに比例するように、こちらはどんどん気持ちよくなりますから(ゲス顔)。

 

 

追記)

真言・栄光】の代わりに【ドブネズミ】も試している。しかしさっき相手の手札から【炎の王ラグナロス】が出てしまったので怖くなった。ちゃんとリカバリできる手札がある場面で使うのがいいのか。それとも使わない方がいいのか…。

 

再追記)

何回かやったけど【真言・栄光】の方が安定するかな。

【ドブネズミ】は強いミニオンが出てくるリスクがあるので、明らかにアグロでない相手には使いづらい(結果、手札で腐る)。あと【密言・恐】で破壊されてしまうので、アグロ対策になっているようでなってないと思いました。

 

三度目の正直)

【超うざい調剤師】も試してみました。アグロからミッドレンジまでなら序盤が安定するので重宝する。しかも【復活】するので、速い相手はさらに嫌なはず。反面、相手も回復しちゃうのでコントロールには少し不利。

あとこのデッキ、【翡翠ドルイド】にものすごく弱いね。ドルイド見たら爆発していいレベル。

ヒロイック喧嘩について

雑感

少し前の話だが、ハースストーンに【ヒロイック喧嘩】というやつが実装された。

 

簡単に言うと、自分の組んだデッキで戦う闘技場である。

自分で組んだデッキを使わなければいけないので、必然カード資産の多いベテランユーザーが有利になる。それ以前に、入場料が1200円もしくは1000ゴールドなので軽い気持ちでは参加できないコンテンツである。

しかし、その分報酬は破格で、12勝すれば50パックにゴールデンレジェンドが3枚も付いてくるし、入場料以上の1100ゴールドがもらえる。期待値がプラスになるのは5勝3敗から。実現するためには、勝率62.5%を叩き出さなければいけない。

つまり、腕に自信のあるやつだけ来い。強い奴にはいいもんやるぞ。という非常に射幸性の強い遊びだ。

 

でね。

こんな波の荒さなもんだから、どっちかって言うと否の方が多いわけよ(個人の感想です)。通常の酒場の喧嘩を飛ばしてこの【ヒロイック喧嘩】を実施したのもあって、完全に初心者お断り、むしろ中級者もお断り。上級者でも二の足を踏むレベル。

なんでこんなの実装したのかなー。って考えて、思い当たることがあったのでここに記すものとする次第である。

 

結論から言うと、【ヒロイック喧嘩】の目的は『上級者の余剰リソースを減らすため』で間違いない。

この手のゲームって、課金しない人も遊べるように、毎日少しずつ時間を使っていればそこそこ遊べるようになっている。そうしないと、お金使わない人が意欲をなくしてしまい、ユーザー数が減るからだ。

あれ、課金する人だけ残ればいいんじゃないの?

と思われるかもしれないが、それでは実ユーザー数がものすごく少なくなってしまうので、潜在的なユーザーへの広がりが鈍くなってしまう。ユーザー数を多く保つことで、そこからの広がり(例えば『友達を誘う』などのゲーム外部への動き)が活性化するため、新しいユーザーを獲得しやすくなる。その結果、課金ユーザーも増える。

ハースストーンの場合も、クエストを消化したり勝利を積み重ねることで、がんばれば一日150ゴールドは手に入れることができる。例えば年間300日稼働したとして、一年で45000ゴールドが手に入る。

現在、ハースストーンの年間スケジュールは『拡張*2』と『アドベンチャー*1』なので、アドベンチャー分の2800ゴールドを引いて42200ゴールドをパックで使用できることになる。

つまり、一拡張につき21100ゴールド。211パック。

 

うん、これで十分じゃね?

しかも、ある程度課金しているユーザーなら、これよりさらに多くのパックを手に入れることができるのだ。必然的に『ゴールドは余る』。

で、余ったらどうするか。普通の人なら、ある程度のところでパックを引くのをやめて『次の拡張のためにとっておく』だろう。そうしている間にも、日々ゴールドは溜まっていく。つまり、あるユーザー層では『ゴールドの消費より収入が上回った状態』になっていると予想される。

こうなると、課金する意味がなくなる。日々の収入さえちゃんとこなせば、拡張がリリースされても無くならないくらい、ゴールドはあるのだ。課金なんてしないだろう。

 

というわけで、この状態を解消するために【ヒロイック喧嘩】は実装されたと見て間違いないだろう。それを裏付ける理由は他にもある。

 

・ターゲットが上級者

前述の通り、明らかに上級者を狙った仕様は、『ゴールドが余っている層から減らしたい』という意図を感じる

 

・報酬にゴールデンレジェンドがある

基本的にゴールデンレジェンドは、自分でわざわざ作らない。つまり、カードリストがほぼ埋まっているユーザーでも、持っていないカードが多い。よって、それを報酬として出すことで、最上位のユーザーでさえもゴールドを消費してくれる可能性が高まる。

 

・【仁義なきガジェッツァン】のリリース2週間前

おそらくこれが一番大きい。新拡張のリリース直前にこういったギャンブル仕様を出すことで、【ガジェッツァン】で消費されるゴールドをお金にしたいという強い気持ちが感じられる。

このことから考えて、次回拡張前にも同様の(もしくはもっと射幸性を増した)【ヒロイック喧嘩】が実施されると予想される。

 

おそらく、当初の予定では【闘技場】が、この余ったゴールドを消費するものになるはずだったのだろう。しかし、現在の【闘技場】には、上級者がゴールドを支払ってまでほしい物も名誉もない。

ただ待っていたのではユーザーがプールするゴールドは増えていくばかりである。そうした状況を打開するため(の手がかり)として、【ヒロイック喧嘩】は実装されたと考えられる。

 

と、いろいろ書いてきた。ここに書いたのは確かに俺の想像だけれど、実はこれに似た経験をしたことがあるので、ほぼこの動機で間違いないと思っている。

以前、ソーシャルゲームの運営に携わっていた時、ユーザーの持つ資産が大きくなりすぎて困ったことがあったのだ。本当なら、資産をうまく消費させて課金につなげるバランスにするのが理想なのだが、ユーザーはこちらの予想を軽く超える。

「おそらくこのくらいだろう」とこちらが設定したラインなんて優に超えて、時に理論値限界みたいな動きをするユーザーもいる。先ほど「年間300日稼働したとして」なんて書いたけど、マジで年間365日全ての報酬を取りきるユーザーもいる。ハースストーンにもきっといるのだろう。そして、毎日じゃなくても300日分とかそのレベルならきっと掃いて捨てるほどいる。間違いない。で、そんなユーザーのデータを見ながら「これヤバくないっすかね」なんて会話が開発室で起こっているのが目に見えるようだ。

しかしそんな時、報酬を削ったりしたら大ブーイングが起こること必至である。今まであるものは残しつつ、どうにかして資産の消費をさせなければならない。

 

それでひねり出したのがこの【ヒロイック喧嘩】だと思うんだよな。

いや、その気持ちはすごく良くわかるから。

デッキ紹介: キュレーターパラディン

デッキ

こんにちは。

 

9月は健康上の理由により、あまりランク戦ができなかった(ランク戦みたいなマジの対戦をすると、動悸が始まってやってられなくなった。やはりeスポーツもスポーツだな)。なので、9月にメインで使おうと思っていたデッキの紹介をしようと思う。

題して【キュレーターパラディン】。

キュレパラって略すといい語感ではないでしょうか。

 

【現在使用中のキュレパラ(6060魔素)】

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1. なぜこのデッキを作ろうと思ったのか

カラザンリリース後、誰しも一度は考えたと思う。【キュレーター】を使って種族ミニオンを引いて、【動物園ロボ】とか【動物園の奇術師】とかでバフしまくるデッキ。

でもあんまり見ないですわな。

【キュレーター】が入ってるとしても、メインは一種族だけで、他の二種族に関しては使いやすい【暴走コドー】とか【サー・フィンレー・マルグルトン】とかがピン差ししてあるだけ。

理由は簡単で、実際に三種族もりもり入ったデッキだと偏って安定しないんだ。種族シナジーも不発になることが多くなるし。

そういう経緯で、例えば「ドラゴンウォリアー」に【キュレーター】を入れることで、有用な獣とマーロックを引いてくる、みたいな動きのデッキになっていったと推測されるわけである。

うん、良くわかる。

 

でもさ、それじゃつまんなくね?

【動物園ロボ】って、3マナ3/3が出たうえで最高+3/+3するっていうところがやばいわけで、そのダイナミックな動きを使った方が楽しいんじゃね?

っていうのが、このデッキを作ろうと思ったきっかけである。

(いや、【キュレーター】自体は挑発も持ってるし、理論値で1.5枚も引けたら優秀だとは思うんだけどね)

 

で、次にその動きが実現できそうな(三種族入れてうまく回りそうな)ヒーローは何かを考えた。もともと「ドラゴンなんちゃら」とか「マーロックなんちゃら」とかあるヒーローは、ベースとなるデッキに他の種族を足して調整していけば良さそうだ。

ドラゴンなら、ウォリアー、プリースト、パラディン。マーロックなら、パラディン一択なのかな。獣なら、ハンターかドルイドが良かろう。うーん。

 

いろいろ考えた結果、俺はパラディンを選択した。

パラディンには、ドラゴンシナジー、マーロックシナジーを生かしたデッキが既にあるので、相性が良さそうだったからだ。

しかしそれよりもずっと重要な決め手になったのは、パラディン専用カード【バイルフィンの異端審問官】である。

こいつはすごいぞ。たった1マナで1/3の優秀なスタッツ。これだけで序盤に出てくるヘルス1-2のミニオンにある程度対処できる。

そして何より、ヒーローパワーでマーロックが出せるようになる。2マナで自由にマーロックを出せるというのは、使ってみると本当に便利なのだ。例えば、場に獣が一体しかいない状態で【動物園ロボ】を持っているとする。本来なら【動物園ロボ】を出しても獣に+1/+1されるだけだが、ヒーローパワーでマーロックが出せることにより、効果は+2/+2になる。これって本当に優秀な動きなのだ。

さらに、自身もマーロックであることにより、生き残っていたらバフの対象にもなる。入れない意味がないとすら言える、超優秀なキーカードである。

 

2. 試行錯誤の日々

で、最初は【謎めいた挑戦者】や秘策を入れたデッキを作ったのだ。【救済】は種族ミニオンを少しでも場に残らせることができるので、バフが有効に機能しそうだと思った。【競争心】は横にミニオンが並んだ時にさらなるバフをかけることができる。

さらに、カラザンで追加された【番鳥】は、1マナで秘策を貼れるパラディンと最も相性が良さそうだったので、これらを盛り込んだデッキ「試作型動物園シークレットパラディン」を作ったわけだ。

 

しかしダメだった。

秘策が入ることで、全体のコストが低めに寄ってしまう。序盤の動きが弱くなり、秘策を貼るだけで終わったりして相手のミニオンに対処できないケースが多かったのだ。

さらに秘策と【番鳥】のコスト差が大きいことも問題であった。入れていた秘策は【救済】【懺悔】【競争心】が多かったのだが、これらは次の相手のターンもしくは返ってきた次の自分のターンで発動してしまうことがとても多い。

よって【番鳥】の効果「自分の秘策が準備されている場合、+1/+1と挑発を獲得する」は、秘策と同時にプレイされなければいけないことが多くなる。もし秘策をプレイした次のターンに【番鳥】をプレイしようとすると、まず相手が「ミニオンを出さない」「自分のミニオンを破壊しない」こと。そして「自分のミニオンが場に0体」という条件を満たさないといけなくなるわけだ。これはなかなか厳しい。

必然として、6ターン目以降にカード2枚と6マナを使って4/7挑発を出すことになるのだが、これは言うほど強くない。しかも、同時に出した秘策が【救済】だった場合、挑発を持っている【番鳥】が救済される可能性が高く、救済時には雄叫びの効果は発動しないのでただの3/1が復活するだけである。うん、弱い。

もし【番鳥】が獣かドラゴンだったとしたら、まだ一分の可能性はあったかもしれないが、奴は属性のないミニオンだ。入れる意味はあまり感じられなくなった。

このような経緯で、有効に機能しない【番鳥】や秘策は抜くことにしたのである。

 

その後、ミニオンをどんどん出していく現在のスタイルが強そうだとわかり、このデッキはテンポデッキになっていった。数日後、ひとまず完成の形として落ち着いたのが、先に出したデッキレシピである。

 

3. このデッキの何がいいのか

使ってみればわかると思うが、このデッキの良さは「意外性」である。何しろ他にこの手のデッキを使っているプレイヤーを見たことがないので、相手はこちらの手の内を予想することがなかなか難しい。

(もちろん広まってしまえば対策されるので、ここに書くのもドキドキではある。が、このブログにそんな影響力はないので大丈夫だろう。そういう意味では、あくまでもカウンターとしてのみ存在できるレベルのデッキであることは明記しておきたい。要は対策されても環境トップ、みたいな強デッキではない)

 

まず初手に近いところで【バイルフィンの異端審問官】や【マーロックの鯛ド変態】がプレイされると、相手はまず間違いなく「マロパラだな」と思ってくれるはずだ。俺が対戦相手なら絶対そう思う。

その後、こちらのデッキからは【宝飾のスカラベ】や【食糧庫蜘蛛】が出てくるわけだが、おそらくその時点では相手はこちらの意図を測りかねるはずだ。そもそも【食糧庫蜘蛛】が入ってるデッキなんて「進化シャーマン」ぐらいなので、パラディンに入っている意味は知らないとわからない。慎重でないプレイヤーの場合、ここでこれらのミニオンをスルーしてヒーローを殴ってくれることすらあるが、それはこちらの思うツボである。

【宝飾のスカラベ】も【食糧庫蜘蛛】も、実は獣なのだ。さらに特筆すべきは【食糧庫蜘蛛】が生み出した1/3の【蜘蛛】も獣なのである。「弱い」と思ってスルーされたこいつらは、ほどなく【動物園ロボ】で+1/+1される。さらに、場にマーロックが残っていた場合そいつらも+1/+1される。

例えば、1マナで【異端審問官】、2マナ時にコインを使って【食糧庫蜘蛛】、3マナ時に【動物園ロボ】をプレイできたとすると、下のような状態になっている。

 

3ターン目)

【2/4マーロック】【2/4獣】【1/3獣】【3/3ロボ】

 

軒並み序盤にしてはヘルスが高いので、除去されにくい。ということは、さらに【動物園ロボ】や【奇術師】でのバフが効きやすい状態になっているわけである。この段階(4マナ)ではAOEもほぼ3点まで、【オウケナイのソウルプリースト】+【回復の輪】とか【熱狂する火霊術師】+【平等】など強力なものもあるにはあるが、環境でそれほど目立ったヒーローではないので生き残る可能性は高い。

その隙にさらにバフを重ねることで、盤面を優位に保つことができるというわけだ。

 

もし意に反して(というか普通に)これらのミニオンが除去されたとしても、こちらはテンポを取りやすいマナカーブになっている。【トゥルーシルバーチャンピオン】は優秀な除去手段だし、アタックの高い危険なミニオンを出されたとしても【アルダーの平和の番人】が弱体化してくれる。【ブラックウィングの変性者】や【暴走コドー】など、相手のミニオンを処理しつつこちらのミニオンを出せる動きもある。

そうこうしているうちに、手札に複数のミニオンを生み出せる【食糧庫蜘蛛】や【鯛ド変態】をキープしておいて、満を持してミニオンを展開、即座にバフすることができれば、相手はプランを崩されたと感じるだろう。

 つまり、このデッキの基本戦略は「いろいろな種族のミニオンを途切れず展開し圧倒する」というものになる。

 

4. デッキメカニクスについてもう少々

ここではデッキの内訳と、特筆すべきカードについてはその役割を書こうと思う。

 

獣:5枚

【宝飾のスカラベ】*2

このカードは基本的にカードを追加する用途で使われることが多いので、獣属性も利用するとは気づかれにくい。パラディンに獣があまり使われないのも相手の裏をかくのに一役買っている。

さらに、本来の役割である「コスト3のカードを持ってくる」能力自体がかなり優秀でこのデッキにフィットしている。

デッキにも入っている【アルダーの平和の番人】や【ソード・オブ・ジャスティス】、ドラゴンシナジーのある【ナイトベイン・テンプラー】。

切り札として使えてしかも獣である【鉄嘴のフクロウ】は、コストが増えたおかげで【スカラベ】で引くことができるようになった。最後の詰めや、やばいミニオンに対して使用できる「沈黙」は、デッキにわざわざ入れるほどではないが【スカラベ】で追加する分には十分強い。

追加の【食糧庫蜘蛛】や、まだ引けてない時の【動物園ロボ】も強い。

優先度は落ちるが、上に書いたカードがなけれは、他の獣やマーロックが何枚もあるのでそれをピックしても良い。

他にも、呪文ダメージがある【ダラランのメイジ】なんかは、【聖別】と合わせれば全体3点になる。相手がzooやトークンデッキならアリだろう。雄叫びで2点出せる【アイアンフォージのライフル兵】や【クトゥーンの門弟】もいる。ドローしたい状況なら【苦痛の侍祭】もいる。さらに味方を強化できる【シャタード・サンの聖職者】や【レイドリーダー】もいる。突撃持ちもいるし、挑発持ちもいる。

さらに意外なところでは【フェンシングのコーチ】も、マーロックを1回だけ0マナで召喚できて悪くない。【ブラン・ブロンズビアード】は【動物園ロボ】等のバフを強化してくれるし、【ティンクマスター・オーバースパーク】が味方のミニオンを変身させてしまったとしても、なんと変身後のミニオンは獣なのだ。

3枚の中から選べることを考えると、外れはほぼないと言っていい。状況に合わせて何かしら使えるカードを拾ってこれるはずだ。2マナでこれだけやってくれるのだから、素晴らしいの一言である。

 

【食糧庫蜘蛛】*2

前述の通り、相手からしてみたら最も意味の分からないカードだと思う。

しかしこちらからすると、獣が2体も召喚できるのでめちゃくちゃ使える。相手が蜘蛛を除去しようとした場合でも、ヘルス3のおかげで片方は生き残る可能性が高い。獣が場に残りやすいというのも有能なポイントである。

ただし、手札にバフがない場合は、元が非力なので出しづらい。遅くとも次ターンに強化できる見込みがある場合にプレイしたい。

 

【暴走コドー】*1

基本的には【キュレーター】で引いたらラッキー枠である。場にいるとまずいミニオン(たとえば【炎の王ラグナロス】とか)を【アルダーの平和の番人】で弱体化してから【コドー】で破壊するというコンボもあるにはあるが、弱体化した時点で破壊するほどでもなくなる場合が多いので、場合によりけりである。 

ただ、やはり獣なので【動物園ロボ】で4/6にすると安定感が出る。アタック<ヘルスは少なくともこのデッキにおいては正義。

 

ドラゴン:6枚

【フェアリードラゴン】*2

対象にならないのでメイジなどに強い、お手軽ドラゴン。序盤は出しておくだけで何回か殴れるし、終盤はドラゴンシナジーのために温存したりして、最終的には【動物園ロボ】などでバフできる。

2マナなので、これを出してからヒロパでマーロック、最後に【動物園ロボ】でバフしても7マナで済む。軽くて強い。

 

【トワイライトの守護者】*2

4マナで3/6挑発になる、守りのドラゴンである。何回も書いているように、ヘルスに重きを置いたミニオンは残りやすいのでこのデッキに合っている。

とりあえず出しておくだけで、相手が除去したくなる(=除去手段を使ってくれる)という意味でも安定した働きをしてくれる一枚。

 

【ドラコニッド・クラッシャー】*1

【イセラ】*1

一枚しか入ってないのは【キュレーター】で引くためである。どちらもフィニッシャーとして終盤に使うカードなので、一枚あれば十分。

たとえ序盤に引いたとしても、ドラゴンシナジーの役に立つのでOK。

 

マーロック:3枚(+ヒーローパワー)

 【バイルフィンの異端審問官】*2

先に書いた通り、このデッキの核となるカード。これが手札にあるのとないのでは全然違う。ただの1/1シルバーハンド新兵なんてもう使えないよ!

 

【マーロックの鯛ド変態】*1

マーロックであれば何でもよかったのだが、挑発が出ることで本体が生き残りやすいのでこれを選択。ただし、ヘルスが1なので安定感はない。

終盤にヒーローパワーで1/1を出すよりは強い。

 

【ヒーローパワー】

このデッキは、パラディンのヒーローパワーが最も輝くデッキであると言っていい。それくらい重要。

2マナ1/1が、2マナ2/2になると言っても過言ではない、と言っては言い過ぎだが事実。それくらい大切、ほんと好き。

 

その他のミニオン:9枚

【アルダーの平和の番人】*2

相手がドヤ顔で出した大型ミニオンに使うべし。現環境では【炎まとう無貌のもの】とか【魔力の巨人】とか【サバンナハイメイン】とかに使えると最高。

 

【動物園ロボ】*2

【動物園の奇術師】*2

これもこのデッキのキーカード。いくら他のミニオンをたくさん出しても、これらを出すことができなければ圧倒できない。

常に手札にある枚数を確認しつつ、どのタイミングでバフするのがいいか探るべし。基本的には種族ミニオンを先出しして、次ターンのアタック前にバフしてびっくりさせるのが効果的だが、マナが足りていて全体除去が来なさそうな場合はどんどん使っていいと思う。

三種族すべてにバフできると大変気持ちいいし、相手が焦るのが見えるようである。

 

【ブラックウィングの変性者】*2

普通の使い方でOK。3点を有効に使おう。

 

【キュレーター】*1

このデッキはドローがほとんどないので、手札が減ってきたタイミングで出せるとカードも心も潤う。

一番少ないマーロックでもデッキに3枚入っているため、ほぼ3枚、悪くても2枚は引ける。優秀である。

 

続いて残りの呪文と武器について。

 

呪文:4枚

【平等】*2

【聖別】*2

言わずもがな、相手ミニオンを一斉に処理するために使用するのだが、使い方には注意が必要である。

この2種類のカードは【平等】⇒【聖別】と使うことで相手のミニオンを全て処理できる。だが単体で使える場合には、極力単体で使うようにしよう。それぞれ単体でも相手のミニオンを全除去できる可能性があるカードなので、本当に厳しい局面以外では単体で使った方がいい。そうすれば全体除去が4回使えることになるからだ。

 

例を挙げるなら、相手がzooウォーロックの場合。

相手のミニオンにはヘルスが2以下のものが多い。【ナイフジャグラー】とか【闇の売人】とか【炎のインプ】とか。あとは【インプギャングのボス】や【禁じられし儀式】から作ら得れた1/1トークンとか。

なので、まずは相手がそういったミニオンを多数展開してきた時のことを考えて【聖別】をキープしておく。ある程度の数のミニオンが並んだら、一気に処理しよう。

しかし、zooにも時々ヘルスが多いミニオンがいる場合がある。【ダークシャイアの議員】や【森の巨人】、【ドゥームガード】などである。これらに対処するためには、時として【平等】を使わなければならない。

こちらの場にいるミニオン数が相手より多い場合は、【平等】単体で使ってから弱いミニオンを相手に当てて数を減らしていく。こちらのミニオンもヘルス1になるが、【動物園ロボ】なら2にできるし【奇術師】なら3まで増える。【平等】と合わせても5マナと7マナなので十分に狙えるだろう。

もし相手のミニオンがこちらより多い場合は、ようやく最後の手段として【平等】+【聖別】のコンボを使おう。この場合も6マナしか使わないので、9マナ以上あれば【動物園ロボ】を使う余地はある。

 

こんな感じで相手に合わせてプレイしていけば、呪文は4枚で事足りる。このデッキは場にミニオンを展開することを主眼に置いているので、【平等】だけ【聖別】だけでも十分対処できる場合が多いのだ。強いからと言って常にコンボで使用していると、最高でも2回しか使えないのでリソースで負ける可能性が高いだろう。

 

武器:3枚

【ソード・オブ・ジャスティス】*1

正直ここは迷っている。入れ替えを考慮に入れた、最後の1ピースと言ったところだ。

使い方はもちろん、【食糧庫蜘蛛】や【マーロックの鯛ド変態】といった複数召喚ミニオンをどんどんバフしていくというもの。バフのために使った【動物園ロボ】を4/4にすることもできるので、気が付いたら手が付けられないほどミニオンを育てることもできる。

しかし良いことばかりではない。このカードを使ったことがあるならわかると思うが、流れるようにうまく強化できないことも多い。5回使い切るまでにある程度ターンが必要なので他の武器を装備できないし、途中で【ハリソン・ジョーンズ】を使われると最悪である。

が、ミニオンを横展開するこのデッキには基本合っているし、実際はまれば強いので一枚だけ入れている。何なら【平等】でヘルス1にしたミニオンを倒せるのもいい。

このデッキは明確にドローが少ないので、環境によってドローソースと入れ替えるということも十分に考えられるだろう。今後コントロール寄りのデッキが幅を利かせる環境になったら、ドローできるカードに変えた方がいいと思う。

 

【トゥルーシルバーチャンピオン】*2

特に書くことはない。パラディン必携の武器である。

 

5. マリガンについて

必ずキープしたいのは以下の2枚である。

バイルフィンの異端審問官】

【動物園ロボ】

 序盤のテンポを取るためにどちらも必要だが、【異端審問官】の方がより優先される。極端に言うと【異端審問官】がなければ全交換でもいいくらい必須である。

それに比べると、【動物園ロボ】は少しだけ落ちる。しかし3マナ最大+3/+3のバフは、使いたいタイミングに手札にあることが求められるので、初期にキープしておいた方がいい。

ここでバフの使い方についてちょっと書いておこう。バフをかけるタイミングは、大きく3つに分けられる。

 

 ① 相手のミニオンを倒したい

 ② 味方のミニオンを守りたい

 ③ ヒーローを殴ってプレッシャーを与えたい

 

③は終盤の詰めで、ミニオンよりもヒーローを優先して殴りたい時だ。

このデッキには直接ダメージを与えることができるカードが何枚かあるので、ダメージ計算をした結果、ヒーローにプレッシャーを与えた方が良いと判断した場合には、とりあえずミニオンをバフするという攻めの使い方ができる。

 

次に①。序盤から中盤、相手の予想を上回ることで盤面の優位を取るために使う。たとえば【獰猛なサル】が相手の場にいて、こちらのミニオンを総動員しても倒せないような状況。

 4ターン目)

      【獰猛なサル 3/4 挑発】

【異端審問官 1/3】【食糧庫蜘蛛 1/3】【蜘蛛 1/3】

この状況では、こちらの全てのミニオンで攻撃しても【獰猛なサル】を倒せない上に、こちらのミニオンのヘルスは全て3なので殴るだけ無駄である。相手も当然、そう考えて【獰猛なサル】を出しているはずだ。この状況を一発で返せるのは【トゥルーシルバーチャンピオン】ぐらいである。

しかし、ここで【動物園ロボ】をプレイすることができればこうなる。

4ターン目)

         【獰猛なサル 3/4 挑発】

【異端審問官 2/4】【食糧庫蜘蛛 2/4】【蜘蛛 1/3】【ロボ 3/3】

何ということでしょう。

2/4の二体で殴って【獰猛なサル】を倒しても、全てのミニオンが生き残るのだ。さらに次のターンまで【食糧庫蜘蛛】が一体でも残っていれば、ヒーローパワーを使用した後【動物園ロボ】を出すことで、+2/+2のバフをかけることができる。とても効果的にバフを使えることがわかるだろう。

しかしもし、このタイミングで【動物園ロボ】がなかったらどうだろうか。【異端審問官】も【食糧庫蜘蛛】も一撃で倒されてしまうので、相手に有利な方向に進んでしまうだろう。


最後に②。これは主に全体攻撃からミニオンを守るための使い方だ。相手のヒーローが持っている全体攻撃に対して自軍のヘルスが足りない場合、バフすることによってミニオンを残そうとする動きである。

たとえば全体1点。ウォリアーと対戦する時に最も気を使うべき攻撃だが、メイジやシャーマン、ローグを対戦する時も頭に入れておこう。ドルイドの【なぎ払い】も全体1点として考えよう。

相手が上に書いたようなヒーローの場合、かつ自軍にヘルス1のミニオンがいる時には、率先してバフをかけてミニオンを守る。ミニオンを生き延びさせる行為は、そのままバフが有効に機能する可能性を生み、さらなる盤面の優位をもたらしてくれる。

しかし相手の全体攻撃が先に飛んできてしまったら、ミニオンは消し飛び優位はことごとく消滅してしまうのだ。全体攻撃が来そうなタイミングを常に窺い、先手を打ってバフをかけることがどれだけ重要か、わかるだろう。

 

以上のように、バフは「使うタイミング」が非常に重要である。最高のタイミングで使用することで、ミニオンはより多く場に残り、さらなるバフを使うことができる。うまく使えばどんどん好循環が生まれるのだ。

このデッキを使う上で、バフのタイミングを逃さない手札運用はとても大切だ。マリガンで【動物園ロボ】を1枚キープしておきたい理由はそこにある。

3マナ以降、いつでも【動物園ロボ】を使いたくなる場面は起こりうる。初期の手札に【動物園ロボ】が1枚もない場合、3ターン目までに引ける確率はおよそ21.4%。だいたい5回に4回は、バフを使えない状態で中盤に突入しなければならないのだ。

【動物園ロボ】は必ず取っておこう。

 

ではマリガンに戻る。

次点で検討するカードは相手ヒーローによって考えるが、テンポデッキなので基本的には早めに展開できるミニオンを取るようにしよう。

【フェアリードラゴン】は序盤に強いミニオンが出ないプリーストや、呪文を使うメイジ、ローグの時はキープする。【トンネルトログ】を倒せるのでシャーマンにも有効だ。

【マーロックの鯛ド変態】は、出現する2体どちらもヘルス1なので、ヒーローパワーで倒されてしまうメイジ、ドルイド、ローグは避ける。ウォリアーも1点が出やすいので優先順位は下がる。逆にパラディンは、【聖別】までミニオン以外の除去手段がないことが多いのでキープして良い。

相手によっては【アルダーの平和の番人】をキープしておこう。7/7が早めに出る可能性があるシャーマンとの対戦では、マストキープに近い。

zooウォーロックに対しては【聖別】がとても有効なので、初手の段階で取るのが望ましい。ある程度相手のミニオンが並んだ段階で【聖別】を打つことで、こちらの優位を取ることができる。

【宝飾のスカラベ】はこのデッキでとても輝くカードなので、他に選択肢がなければ初手でキープして良い。数少ないドローカードのうちの1枚なので、これを出すことで序盤の安定が見込めるからだ。2ターン目に獣を出せて、さらに相手に合わせたカードを手に入れられるというのはとても大きい。

その他、初手で許容できるのは【食糧庫蜘蛛】【トゥルーシルバーチャンピオン】まで。それ以外のカードは交換するようにしよう。

 

6. 戦術の補足

基本戦略は「テンポを取ってミニオンで圧倒する」こと。無駄なターンを極力少なくしてプレイしていくことが、そのまま勝利につながるデッキである。

ただし例外もある。ミニオンを並べるデッキにとって危険なカードを相手が持っている場合だ。

具体的には【乱闘】や【オウケナイのソウルプリースト】+【回復の輪】、【熱狂する火霊術師】+【平等】のような強力な全体除去の可能性がある場合は、むやみにミニオンを出さない方がいい。相手が上記の全体除去を使いたくなるようなぎりぎりの数(経験上3体強。4体なら躊躇なく使ってくる)にとどめておき、残りは手札で温存する。

被害を最低限に抑えて、貯めておいた手札でまたミニオンを展開する。プリーストを除いて全体除去は多くても2回なので、手札と相談しながらうまくやり過ごせると、こういったデッキに対しても勝率は上がってくるはずだ。

 

7. 最後に

誰かすごく流行らない程度に使ってみてくれないか。低ランクだけど先月末から8連勝中。悪くはないと思うんだ。

あと「キュレーターパラディン」って名前つけたけど、言うほどキュレーター必須なデッキでもない。本質を正しく述べるなら、「動物園テンポパラディン」だろうな。「キュレパラ」って言いたいから変えないけども。

 

以上。

6月振り返り③ ヒーローと勝率の相関

振り返り

6月振り返りの最後は、「ヒーローの出現率と勝率に相関はあるか」というテーマでお送りしたいと思う。

 

ヒーローの出現率には、波がある。

これは体感でも感じられることだが、1か月の間ずっと「各ヒーローが一定の割合で出現する」なんてこと、あるはずがない。その期間の中で、各ヒーローの使用頻度には流行り廃りが必ずある。

だとすると、その「流行り廃り」は勝敗にどれくらい影響したのだろうか。今回はそう言った観点からデータを見てみよう、という趣旨である。

 

まず、ある1戦を起点にして前後10戦ずつ、計21戦をひとつのまとまりとして考えてみる。ある程度のまとまりで考えることで、1戦ごとに出現率が極端に上下することを避けたのだ。簡単に言うと、移動平均のようなデータの平滑化をしたわけだ。

そして、この21戦のまとまり内での各ヒーローの出現率を、「中央の1戦における各ヒーローの出現率」と定義する。この方法で出した「各ヒーローごとの出現率」が、以下のグラフである。

 

ドルイド / プリースト / ウォーロック

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【ウォリアー / メイジ / パラディン

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【シャーマン / ハンター / ローグ】

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いいね。すごくいい。

グラフってすごく美しいよね。この線の軌跡に何らかの意味を見出すのって、すごく楽しいと俺は思います。

 

さて気を取り直して、これらのグラフから読み取れることは何だろうか。

ほぼ1か月ぶっ通しのデータで、かつ1日あたりの対戦数に大きな偏りはないので、このグラフを3つに分けて考えてみよう。つまり、6月上旬、中旬、下旬である。

すると、それぞれのパートで突出したヒーローがいるのがわかるだろう。

 

前半は【ウォーロック】。4割に迫る勢いでウォーロックと当たっている。これは、良く言われる「スタートダッシュに最適なのはzoo」という言説を裏付けるものだ。まずはzooでさっさとランクを上げよう、というユーザーが多いことがこのデータからもわかる。

しかし、ウォーロックはすぐに失速する。だいたい4~5日経過した時点で急激に減っているのがわかる。代わって【ウォリアー】と【ハンター】が3割弱のシェアを獲得するが、圧倒的ではない。

次に増えたのは【シャーマン】である。6月中旬に爆発的に増え、4割を超える出現率を叩き出した。データを見ると、ミッドレンジシャーマンが割合としては多かった。とにかくトーテムを先に処理しないと、まずいことになった思い出である。

下旬には【ウォリアー】が右肩上がりである。この頃からハゲの強さが広まり、【テンポ】【コントロール】【クトゥーン】【海賊】と、どれも一線級の活躍をしていたという印象である。現在は【ドラゴン】や【OTK】が増えて【テンポ】【海賊】は減ったが、今に至るハゲ全盛時代の幕開けがこのころにあったことをうかがわせる。

 

というヒーローごとの出現率グラフなのだが、これだけでも6月に起こったことが目に見えるようでおもしろい。しかしデータは過去のことなので、次にどういった変化が起こるかは予測しにくい。

例えば HearthPwn にアップされるデッキの数を数えたりすれば、次に流行するヒーローやデッキタイプの予測はできるのかもしれないが、それは大変だ。

そこで考えたのが前回書いた「デッキ出現率予想表」と、これから書く「ヒーロー勝率相関」である。

要は「ヒーロー出現率と勝率」の間の相関係数を出して、「どのヒーローとの対戦が勝敗に響いたか」を見てみようというのである。

 

まず「勝率」についても、「ヒーローごとの出現率」と同じように前後21戦で平滑化しておく。そして「ヒーロー出現率:勝率」の相関係数を出す。

便利なものでExcelにはCORREL関数というのがあって、これに2つの配列を入れればその2つの間にどの程度相関があるかを一発で出してくれるのだ。ありがたいね。

というわけで、そうして算出した相関係数がこちら。

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相関係数の絶対値が大きいほど相関が強いと言える。6月は通してテンポウォリアーを使用したので、テンポウォリアーの勝率と最も相関の強かったヒーローは【ウォリアー】だったということだ。

つまり【ウォリアー】の出現率が高いと勝率は下がり、【ウォリアー】の出現率が低いと勝率は上がる(相関係数が負なので)。

 

…そうなのか。初めて知った。

確かに、テンポウォリアーはコントロールウォリアーやクトゥーンウォリアーに対してかなり分が悪い。さらに6月終盤にはドラゴンウォリアーが出てくるようになって、それまであまり見かけなかったドラゴンウォリアー相手に3連敗している。

また、【ウォリアー】が環境に増えることで、それに対応するために【ウォリアー】に相性の良いデッキタイプが流行するというのも、【ウォリアー】出現率と勝率に相関がある理由の一つかもしれない。

【ウォリアー】増える ⇒ 対【ウォリアー】デッキも増える ⇒ 勝率さがる

というように。

 

プレイしている時には気づかなかったけれど、後から振り返ると納得。

データって面白いなあ。