【KFT】それほどでもないデッキ紹介①
Knights of the Frozen Throneが、いつの間にかリリースされていた。
いや、知ってはいたのだ。
全カードが発表されたらレビューしようと思っていたからな。
しかし全カード発表から3日でリリースって早すぎないだろうか。気付いたら書く前に出ちゃってたよ。
事前の印象では、エレメンタルメイジに【凍血の魔王妃ジェイナ】を足したやつとか、断末魔ハンターに注目していた。
結果としてはドルイドがひとつ抜けているようだけど、コントロールプリーストの嫌らしさとか、回った時の進化シャーマンとか、テンポメイジの安定感とか、構築次第ではいろんなデッキにチャンスがあるだろう。
ウンゴロ環境に引き続き、バランスが取れている方だとは思う。アグロをあんまり見ないことを除けば。
で、せっかくなのでレビューを兼ねて、ニッチなデッキを紹介していこうと思うよ。全3回の予定(そんなにやんのか)。
全て、そこそこ楽しく戦えるがトップデッキには敵わない。そんなデッキ達である。
It's your turn !!
It's your turn !!
そんな掛け声で相手を煽るデッキだ。
デッキ概説
デッキのコンセプトは非常に明快で、「今が相手のターンの場合、〇〇を召喚する」能力を持ったミニオンを多数そろえている。
これに加えて、【デビルサウルスの卵】も相手にとっては破壊したくないミニオンだ。大抵の場合、相手はこれらを放置することになる。
それを逆手に取って、呪文でバフして相手の顔面を殴るのが基本戦術である。間違ってもこちらのターンでミニオンを破壊してはいけない。攻撃力を高めに高めて、「相手に破壊させたくなる」ように仕向けるのが非常に重要である。
【アルガスの守護者】などで挑発を付与するやり方もあると思うが、【ガルヴァドン】をどうしても使いたいので、呪文でバフするスタイルとした(おい)。
この戦法の利点としては、まず相手がこちらのミニオンを「破壊したくない」ということである。破壊したくないということは、場に残るということなので、呪文によるバフをかけやすい。
また、仮に倒されたとしても「断末魔でミニオンを召喚する」ため、これまたミニオンが場に残りやすくなっている。
ウンゴロ環境での「そもそも呪文をかけるミニオンが残りづらい」というクエストパラディンの短所を、これらのミニオンで補うことができるのだ。
これは結構いいぞ。
特に【骸骨術師】に【剣竜騎乗】をかけたときのバリューが素晴らしい。
【4/8挑発】という硬めのスペックもさることながら、倒すと【2/6挑発】と【8/8】が出てくるんだぜ。
【8/8】の方は挑発に守られているから、こちらのターンで【祝福されし勇者】かけると16点も出るんだぜ。
カード入替え
デッキに入っているレジェンドはやや多めで、ちょっとお高いのが難点ではある。しかし、どれも単体で強いカードばかりなので、あった方がいいとは思う。
それを踏まえた上で入替え候補を紹介。
【退廃させしものン=ゾス】は替えてもいいカード筆頭だ。
そもそもバフして殴り勝つデッキなので、終盤までもつれにくい。無くてもそれほど影響はない。
火力を増すために【リロイ・ジェンキンス】か、【神聖なる恩寵】などのドローソースを入れるといいだろう。
特に【リロイ】は【力の祝福】*2とか、【祝福されし勇者】で12点出るので、一気にリーサルを狙うのに適している。レジェンドなので値段が変わらないのが難点ではあるが。
他の候補としては【ボーンメア】でミニオンを強化することも考えられるが、このデッキに関してはバフの前に倒されることはマイナスなので、本当に魔素に困ったらにしよう。
終わりに
せっかく新しいコンセプトのカードが何枚も登場したのに、使わないのはもったいない。そんな、頭から負けている発想のデッキである。
ちなみにこのデッキ、勝つ時はバフがうまく効いている時なので、【ガルヴァドン】の出番はほとんどない。
そんなところも愛おしい。そう思う人だけ使ってみてほしい。
(次回はデスナイトの勝率最下位という噂のウォリアーを予定)
あるクエストパラディンの話と、改宗プリースト
ある日、漫然とHearthPwnを眺めていたところ
俺はこんなデッキを見つけた。
IT WORKS IT WORKS! Quest Paladin 50.1% Winrate! - Hearthstone Decks
いつの日にか俺が夢見、そして夢破れた、クエストパラディンのデッキだ。
どんどん更新がかかっていてもはや原型を止めていないようなので、俺が見て感銘を受けたバージョンに近いものを下に貼っておく。
試してみると、序盤からガシガシミニオンにバフして攻めるアグレッシブなデッキで、とても気持ちいい。
特に【魔力異常体】を使ったアイデアが出色で、2マナ目から【魔力異常体】に【聖なる力】をかけて3/4とする動きが大変素敵。処理されなければここにどんどんバフをかけて、単騎で攻めて行くこともできる。
手札が尽きたころに【ガルヴァドン】が手に入っていれば、素早く決着を付けることも可能だし、【ガルヴァドン】抜きでも十分戦えるようになっている。
そして何より、デッキの説明に書かれた文章がいい。
意訳)
もし君が「簡単にランク5まで行けるデッキ」を探してるなら、どうぞ帰ってくれ。
そうではなく、「勝率50.1%だけど生き生きとした人生を送れるデッキ」を君が探しているならば、ようこそ友よ、読み進めてくれ。
要は「ごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ、俺はガルヴァドン使いてーんだよ!」ってことだ。潔い。
うーん、やっぱこれだよなー。楽しくなきゃなー。
よし、俺もまた楽しいデッキ作ろー。クエローグもちょうど弱くなったしー。
で、いろいろやりまして。
この度、ついに「がんばるアンドゥインwith改宗プリーストinウンゴロ」ができました。密林で暑苦しいローブに身を包み、恐竜相手の改宗に精を出す。そんな無駄に汗をかくアンドゥインをイメージしてご覧ください。
(※ 改宗プリーストを記事にするのは今回で三度目だが、本来そんなに好きではないということは明記しておきたい。いや、嫌いでもないけど)
基本はクラーケン年の改宗プリーストに準ずるが(旧バージョンはこちら)、大きく異なるのは【埋葬】がなくなった点である。
問答無用でミニオンをこちらのデッキに入れてしまう破壊力。とりあえず困ったら埋めとけという便利さ。在りし日には、その聖職者にふさわしい「臭いものには蓋をせよ」的潔さに感涙したものである。
しかし【埋葬】は失われた。
新しくデッキに入ったのは【影の幻視】と、最近とみに活躍の場所が増えたと思ったらクエストローグをナーフされてまた影が薄くなったと評判の【若き酒造大師】である。
これらのカードが入ったことで、足りないと思われていた相手のミニオンを パクる 拝借する動きが、意外と大丈夫なレベルまで持ち直したと言っていいだろう。
特に【酒造大師】はなんやかんやでキーカードレベルに重要なポジションを獲得した。
カード解説
ではまず、基本となるカードの使い方と、その組み合わせを書いておく。以前と重複してしまうものもあるが、そこはまあ改めてってことで。
【狂気ポーション】
本デッキの基本にして永遠。
アグロ相手なら初手必須と言っていい。序盤のミニオンを処理して「相手がアンドゥインに与えるダメージを少なくする」というのが基本の使い方だ。
応用としては、こちらの場に持ってきた後で【若き酒造大師】を使い手札に入れてしまうという使い方もある。これだとパクったミニオンの雄叫びも使えて得した気分になれる。
中盤以降であれば、【縮小ポーション】⇒【狂気ポーション】でこちらに持ってきてから、【若き酒造大師】で手札に入れるという荒業も時々使える。このコンボでアタック5まではこちらのものにすることができるので、【アヤ・ブラックポー】とか【イセラ】と言った、強力なミニオンまでパクることができる。
しかもこれだけやって4マナ。非常に強力なだけに、使いどころは慎重に見極めよう。
【縮小ポーション】
影の実力者的なポジション。使い方はほぼ2通り。
①【縮小】⇒【密言・恐】でアタック5以下のミニオンを一掃
②【縮小】⇒【カバルの影の僧侶】でアタック3から5のキーミニオンを奪う
①の使い方はもうそのまんま。ミニオンを横に並べられて、ついにアタック5まで出てきたような戦況。次のターンに殴られると厳しいぞ、って時におもむろに使う。
②は挑発ウォリアー相手の時など、挑発を何体も並べられた局面で使うと強力。【ダイアホーンの幼生】とか【巣作りロック鳥】とか、激怒した【ブラッドフーフの勇士】でもこちらに持ってこれる。しかも【僧侶】本体の4/5付き。
それ以外にもアタック5で置いとくだけで強いミニオンなんていっぱいあるので、狙える時は 盗んで 改宗してしまおう。
【ドブネズミ】
いないと困る。これも使いどころは2つ。
① アグロ相手に出す
①はまあ普通の使い方だ。海賊ウォリアーとかフェイスハンターは、2/6挑発の壁でやられてしまう小サイズのミニオンが多い。さらに【ドブネズミ】で出たミニオンは雄叫びが発動しないので、【ブラッドセイルの略奪者】とか【猛獣使い】を素で引きずり出せたりすると、大分楽になる。
ただ時々【サバンナ・ハイメイン】などが出て来ると困るので、【大いなる解呪】か【密言・死】は持っておいた方がいいかもしれない。
②は良くわからないと思うので解説。
まず、このデッキは【翡翠ドルイド】が大の苦手である。こちらも向こうも終盤勝負で、デッキ切れ近辺が勝負どころなのだ。しかしこちらと違って【翡翠ドルイド】は、デッキが切れるあたりから飛躍的に強くなってしまう。こっちは最高で巨人の8/8なのに、あっちは毎ターン10/10以上の翡翠ゴーレムを出して来るわけで、普通にやったらボコボコに殴られて負けてしまう。
つまり、どうがんばってもデッキの構造上不利なので、少しでも勝率を上げるために【ドブネズミ】を使うのである。
【翡翠ドルイド】には翡翠のゴーレムを雄叫びで出すミニオンが多数入っている。
【翡翠の精霊】【翡翠の巨象】【アヤ・ブラックポー】だ。これらを【ドブネズミ】で引き出すことで、ゴーレムの成長を遅らせる作戦である。
何なら【酒造大師】を使って2回以上【ドブネズミ】をプレイしてもいい。そうすることで、終盤のゴーレムの強さがかなり変わる。7/7までならこちらの巨人で対処できるし、勝ち目もわずかではあるが出てくる。
実戦では【ドブネズミ】でうまくミニオンを出せたことで手を遅らせ、最終的に巨大ゴーレムを【精神支配】して勝てたケースがいくつかある。
【翡翠ドルイド】には【ドブネズミ】。くれぐれも忘れないように(それが聖職者らしいのかと言えば疑問ではあるが)。
【影の幻視】
まさにこのデッキのために生まれたと言っていいほどハマった。
このデッキを使う上では、なるべく相手のミニオンを「まとめて処理する」ことが肝要だ。アタックが小さいミニオンは野放しにして、【狂気ポーション】なり【密言・恐】なりで「まとめて倒す」。そうしないと、相手のミニオン数に対してこちらの呪文が足りなくなってしまうからだ。
必然、3ターン目まで「ヒーローパワーで自分を回復」みたいな動きが多くなる。相手のアクションに対してこちらが対処していく戦法なので、しばらくは相手の動きを待っていることも多い。
そこで、2マナ払って【影の幻視】をプレイして、こちらの手札を充実させておくことができるわけだ。
相手が速いデッキなら、アグロ処理用の【狂気ポーション】とか【密言・恐】とかを取る。プリースト相手でなければ【ドラゴンファイア・ポーション】もいい。
体力が心もとない時に【上級回復ポーション】を増やせるし、相手の出方によって先に欲しい呪文を取って置くことができるので大変便利なカードである。
【若き酒造大師】
彼は、身も蓋もなく言ってパクり要員だ。
【狂気ポーション】で持ってきても倒しきれない場合、【酒造大師】で手札に入れてしまえばいいという発想である。
例えば相手の場がこんな時。
【泡を吹く狂戦士 2/4】【フェアリードラゴン 3/2】
こんな時に【狂戦士 2/4】を取ってきて【フェアリー 3/2】を殴っても、【狂戦士 4/1】が残って相手に戻ってしまう。
しかし手札【若き酒造大師】さえいれば、こいつは俺の信者である。もう一度出せばすっかり過去の記憶を無くし、俺のために泡を吹いてくれる。まさに洗脳。
他にも雄叫びミニオンを戻すことで、例えば【カバルの影の僧侶】を2回使えたり、【ガーディアン・アティシュ】が2回装備できたりと便利なことこの上ない。
最初はこの役割に【マダム・ゴヤ】を使っていたのだが、やはり6マナは高い。2マナでこの動きをしてくれる【酒造大師】は、小回りが利いて非常に強い。
【密言・死】
俺たちの【大物ハンター】。
なーんも考えず、ヤバいミニオンに使えばいい。
ただし手札に【縮小ポーション】【カバルの影の僧侶】がある場合は、そのミニオンが欲しいかどうかを良く考えて使おう。パクるのか倒すのか、この後どんなミニオンが出てくる可能性があるかも含めて、熟考してから使うべし。
【影の狂気】
ほぼ【狂気ポーション】と同じ使い方。というか、【狂気ポーション】の枚数を4枚にするという意味も込めて入れてある。
必然、アタック2のミニオンに使う(もったいない)ケースも多いが、それが必要だと思ったら躊躇なく使おう。
【上級回復ポーション】
命綱。
序盤の猛攻を凌ぐために必要なことも多いし、持ってなければ【影の幻視】で1枚増やして、事なきを得ることもある。
ほんと12点回復ってすごいよね。アグロのやる気を削ぐのに十分。
【大いなる解呪】
意外と使えるマン。
バフしまくったハンターの獣たちとか、膨れ上がった【泡を吹く狂戦士】とかを落ち着かせることもできるし、【剣竜騎乗】とか断末魔ミニオンを弱体化させることもできる。
例えば【動き回るマナ】で7体出して、さらに【蓮華紋】でバフしたような状態を考えてみてほしい。普通に考えるとめっちゃピンチですわな。次ターンに21点で殴られるわけだから。
しかしそんな時、慌てず【大いなる解呪】⇒【密言・恐】とやると、なんと相手のマナが7個も失われたまま回復せず、しかも場にミニオンが残らない。
マジでこれをやると、一瞬にしてドルイドが木偶人形のようになってしまうので、逆にかわいそうになります。ぜひお試しあれ(ひどい)!
【密言・恐】
このデッキのエースと言ってもいい。全体除去の要である。
これまで散々説明したように、序盤の小型ミニオンや、中盤に【縮小】と一緒に使用する。これでアタック5までのミニオンは全て倒せる。
アタック6以上の敵は【縮小】を使っても倒せないが、そういうピンポイントな脅威には【密言・死】を使えばいいし、終盤には【精神支配】もある。
とにかくタイミングを誤らずに「まとめて一気に」倒すことを心がけよう。
【オニキスのビショップ】
アグロに対しては【ドブネズミ】を出していることが多いので、こいつで復活させると非常にコストパフォーマンスがいい。
デッキにミニオンが少ないので、【魔力の巨人】が復活する可能性が高いのも良い点。
【カバルの影の僧侶】
【縮小ポーション】のところで書いた使い方はもちろんだが、何も考えずにアタック2のミニオンを奪うだけでもそれなりに強い。
プリースト相手なら【トートランのシェルレイザー】とか、【真言・盾】をかけた【光熱のエレメンタル】が素で奪えるわけなので、かなり得した気分になれるぞ。
【ドラゴンファイア・ポーション】
現行のドラゴンデッキはプリーストしかいないと言っていいので、プリースト以外にはとても有効な全体呪文。
こちらのデッキからはミニオンがほとんど出ないので、相手が調子に乗ってミニオンを連発して来たら、【ドラゴンファイア・ポーション】で盤面をクリアして、こちらは被害なし。みたいなこともしばしばある。
【ガーディアン・メディヴ】
旧改宗プリーストの時に気づいていればもっと戦えたと思うほど、重要なフィニッシャーになりうる。その存在感はまさにレジェンド。
何と言っても次ターンに【精神支配】で相手のデカいミニオンを奪う動きが強い。10マナミニオンはどれもスタッツがいいので、クトゥーンとンゾス以外はそれなりに当たり。
【ヨグ=サロン】もスタッツは微妙だが、次ターンまで生き残っていれば【酒造大師】で戻してワンチャンあるぞ。
精神支配以外でも、4マナ以上の呪文であれば使って良し。ごく稀にそのまま殴って最後の1点が入り、勝つこともなくはない。
【精神支配】
相手のデカいミニオンをパクる。その使い方しか思い付かなかった君は、聖職者失格である(暴論)。
使われてみるとよーくわかるが、このカードの意義は「抑止力」にある。満を持して出したミニオンをあっさりパクられて呆然としたこと、あるでしょ?
だから、1枚目を出した時点で相手に疑念を植え付けるのだ。
「やべ、精神支配あんのかよ!」
「もう一枚あるかもしれないから、こっちから先に出そう!」
てな感じで、盤面の進みを遅らせることができる。その間にこちらの手札が整って、最終的にいろいろ間に合った。というケースも多い。
これはもはや心理戦である。
相手の心に一番ダメージを与えられる方法を、慎重に考えて使おう。こっちが手札をたんまり抱えてるだけで、焦れて爆発してくれる異教徒もいるしね!
【魔力の巨人】
呪文満載のデッキのため、ほとんどのケースで割安な8/8として出せる。しかも終盤引いてきたら0マナなので、気軽に出せる。
たまに復活もしてくれる。大師で戻して回復もできる。まあ便利なミニオンですわな。呪文主体のデッキには2枚入れといて問題ない。
戦術とかデッキ相性とか
このデッキは、ミニオンをベースにしたデッキに対してはかなり戦える。
相手の出してきたミニオンに対して、効率の良い除去を心がけていれば、最終的にアドバンテージを取れる。
まず、アタック2までは放置する。そして手持ちの【狂気】を使って2体同時に倒せるようなら倒す。倒しきれない場合でも【酒造大師】があるなら、手札に戻して自分のものにする。
【密言・恐】は安易に使わないようにしよう。使いどころは、アタック2以下のミニオンが3体以上いて、5以上のダメージが出る場合。もしくは手元に【縮小】があり、アタック5までのミニオンを含めて3体以上除去できる場合などだ。
とにかく効率良く、呪文を無駄にしないように心がけよう。黙ってヒーローパワーで2点回復していてもそれほどライフの減りが大きくない状況(1ターンに5点未満)なら、こちらから動く必要はない。
そんなこんなで、ミニオン主体のデッキが相手であれば、ミニオンをパクって【復活】させたりとかしながらしのいで、【魔力の巨人】を出したり【メディヴ】からの【精神支配】で【デスウィング】を出したりして、勝てる。
ミニオン主体のデッキには(こちらのパズルを間違えなければ)間違いなく相当戦えるはずだ。
で、問題はこのデッキの弱点だ。
実際に対戦すれば分かるが、「後になればなるほど強くなるデッキ」とか「呪文主体のデッキ」には不利である。
前者は【翡翠ドルイド】とか【クエストメイジ】とか【フリーズメイジ】。後者はメイジ全般。
つまりはっきり「メイジが苦手」と言っていいだろう。
メイジは他のヒーローに比べてミニオンが少なくなる傾向にあり、しかもプリーストにとって有用でない秘策関連のミニオンが多いため、ミニオンを奪ってもあまりいいことがない。例外として【アントニダス】を【縮小】+【僧侶】で盗めるとかなり優位に立てるが、その前に圧倒的火力に押されて負けてしまうこともある。
一応【幻視】で【上級回復ポーション】を持ってきておいて回復量を増やし、【アレクストラーザ】を使われた後に回復して相手のプランを崩す。などやりようはあるが、基本的には劣勢である。【ドブネズミ】で積極的にミニオンを引きずり出して処理してしまうという戦い方もあるにはあるが、なにぶん確率なので最低でも【大いなる解呪】は欲しい。
クエストメイジに至ってはさらに深刻で、ほとんどミニオンがいない上に、フィニッシャーは追加ターンで出てくるのでなす術がない。
あと【翡翠ドルイド】は最も苦手なデッキなので辛酸を舐めることになります。もう翡翠が出た時点で勝率3割ぐらいなんじゃないかな。
詳しくは前回のエントリーと、【ドブネズミ】の項を参照のこと。
代替カードの話
このデッキについてはっきり言えるのは、ダストが安めであること。
唯一のレジェンドはアドベンチャーで必ず手に入るし、【魔力の巨人】と【オニキスのビショップ】も同じカラザン収録だ。
もしカラザンなんて死んでも買わねーぞ、って人がいるなら、代替カードは【山の巨人】だと思う。序盤は手札溜まりがちだし。
しかし、それよりは圧倒的に【メディヴ】⇒【精神支配】のコンボが強いし、終盤にコスト0で出せる【魔力の巨人】には敵わない。【復活】もスタン落ちしてるので、【オニキスのビショップ】が無ければミニオンの数が減ってしまう。
つまり、カードを入れ替えるとほとんど別のデッキになってしまうので、聖職者になるための寄付金だと思って、おとなしくカラザンを買うことをお勧めするよ。
まとめ
いろいろと書いてきたが、このデッキで勝つために必要なのは、押し引きのセンスと、パズルを間違わない慎重さだ。
例えば【密言・恐】をいつ使うのか、という問題。
基本的にはミニオンを溜めてからまとめて処理するのがセオリーだが、ハンターが相手の場合には【猛獣使い】の対象となる獣を残さないほうがいいので、先んじて使う。などと言うような、場面場面で考える力が求められる。
先述した【精神支配】の使いどころもそうだ。
【影の幻視】で増やす以外には、最大2枚しかデッキに入っていないので、他の処理選択肢がある場合に、どちらを選ぶかが後々生死を分けることもある。
基本的な考え方は「自分に役に立つなら奪う」である。【アントニダス】は普通に使えるから奪う。【ン=ゾス】は断末魔がいないので【密言・死】で倒す。等々。
また、1点を巡ってミスしないことも非常に重要である。
相手の場に【獣の相棒】から出た【レオック】などがいて、一時的にアタック値がプラスされているような時、こちらの場に持ってきた途端アタックは元の値になってしまうので注意が必要だ。
こう言ったミスをすると、結局全てのミニオンが残ったままで、しかもこちらの呪文は無くなってしまうので、ほとんど投了しても良いくらいの失策である。
自分のライフがあとどれくらい持つかも、常に意識しておいた方がいい。
「次のターンにどれくらいダメージが出そうか」を考えておけば、回復するか呪文でミニオンを処理するか、と言った選択の順番はわかるようになってくる。
例えば、メイジ相手であれば【パイロブラスト】でやられないために11点は残しておく必要があるとか、シャーマンなら【血の渇き】でプラスされるダメージを常に計算しておくとか。
手札と場のみならず、次の相手の行動とそれに対するこちらの行動までを、いつもグルグル考えているといいだろう。元々ハースストーンってそういう力が求められるけれど、それをもっと追求するような、そんなデッキであると俺は思う。
最後に)
今のところ、このデッキの勝率は6割弱だ。
めっちゃ強くもないし、戦えないほど弱くもない。理論上はレジェンドに到達できるレベルである。
でもまあ、そんなことはどうでもいい。
「ほとんどミニオンがいないデッキで、基本相手のリソースをパクって勝つ」という極端なコンセプトでそこそこ遊べるって楽しい。
それでいいじゃないの。
あ、次回更新はおそらく【凍てつく玉座の騎士団】のカードが出そろってから。レビューをするかもしれない。
んじゃ、また。
追記)
意外と【翡翠ドルイド】には分が良くなってきた。【メディヴ】から【精神支配】が決まれば圧倒できるな、意外と。
むしろ問題は、アグロ相手の瞬殺パターン。【ドブネズミ】【狂気ポーション】【密言・恐】がないと4ターンぐらいで負けが濃厚になってしまう状態。
まあ6枚のうち1枚も引かない確率は、7枚目(全マリガンの先手2ターン)で2割を下回るので、 偏っただけと考えよう。
デッキ構築について③ ~確率の話の詳細~
「デッキ構築について②」の計算部分を解説しようと思ったんだけど、どうやらmarkdown記法じゃないと数式を出すのが面倒っぽかったので別エントリーにしました、の巻。
まず一つ目。 「デッキにa枚入れたカードをn枚目までに引く確率」について。
これは「2マナのカードを何枚入れたら2ターン目までに引く確率が高いか」というような場合に使う。
デッキ総数:30 デッキ中の引きたいカード枚数:a 実際に引いた枚数:n n枚引いた時に1枚以上引きたいカードを引いている確率:P
まずは、n枚引いた時に1枚も引きたいカードを引かない確率Qを考える。
Qは[n枚引いたときに全て外れのパターン数]/[n枚カード引く時の全パターン数]で表せるので、以下のような式になる。
PはQが起こらなかった場合の全てなので、1-Qする。
これをExcelの関数を使って表にしたわけだ。
=(1-(COMBIN(30-[a],[n])/COMBIN(30,[n])))*100
こんな感じで。
この計算は「少なくとも1枚引く確率」を求めるので、序盤から中盤にかけての安定性を担保するために使うことが多い。
例えばクエストローグには【影隠れ】【ガジェッツァンの渡し守】【若き酒造大師】と6枚の「手札に戻す」カードが入っているわけだが、その内1枚でも引く確率は6枚引いた時点で77.3%。つまり先手3ターン、後手2ターンで1枚は手札に入る。全マリガンなら先後問わずに1ターン目で手に入る。もし手札に1枚既に持っているなら、残りを全てマリガンしたとして後手1ターン、先手3ターン目に2枚目が手に入る。
これって超速いよね。早期クエスト達成の安定感が別格なのはこういう理由なんだと思う。
次はこれ。
デッキ総数:30 デッキ中のキーカード枚数:a 手札に入れたい枚数:s 実際に引いた枚数:n n枚引いた時にs枚以上引きたいカードを引いている確率:P
これは「リーサル用のコンボパーツを6枚入れてるんだけど、その内3枚がそろえば勝てる」みたいなデッキに使う。
3枚コンボパーツを引けるのがどのくらいのタイミングなのかを知ることで、それまでにどれくらい耐えればいいのかという視点でプランを立てることができる。
計算方法は以下。
n枚引いた時 [s枚, s+1枚, …, a枚]の各枚数について 成功するパターン数 / カードを引く全組み合わせ を計算し、全て足し合わせる。
まずs枚の場合を考える。
分母はn枚引いた時の全てのパターン数なので、デッキ総数からn枚選ぶ順列でok。
分子はn枚引いた時に「s枚ちょうどキーカードを引いた」パターンの数。 これは「当たりだけの順列パターン×外れだけの順列パターン×全体の中での当たりの位置パターン」で出せる。
それぞれ見ていくと、「当たりだけの順列パターン」はキーカード全体a枚の中から、当たり枚数(この場合はs枚)を引くパターン。
これが当たりをお望み通り引いた時の、当たり内のカードの順列。
次に「外れだけの順列パターン」は「デッキのキーカード以外から選ぶ順列」なので以下の通り。
最後に「全体の中での当たりの位置パターン」。
これは、引いた数の全体の並びの中でどこに当たりが位置しているかなので、n枚中s枚選ぶ組み合わせである。
これにより、分子は以下のように計算できる。
で、こうやって求められた「分子 / 分母」をs枚からa枚まで足し合わせると、ようやく「30枚中a枚入っているカードをn枚引いてs枚手に入れる確率」が求められる。 長い。
こういうのって、うまく伝えるの難しい。まあ参考程度によろしくお願いします。
[おまけ]
2番目のやつで実際に使ったExcelのマクロを貼っつけておきます。
補足としては、上の方に定義してある「keycardCount」「deck」「threshold」は、それぞれExcel上でキーカード枚数とデッキ枚数と閾値を設定しているセルからデータを取っています。あと、謎のループ内にある変数kも、セル番号を指定する用のものなのでいきなり3から始まってるけど、1と読み替えると読みやすくなるんじゃないかしら。
これもまあ慣れてないと何が何やらなんだけどさ。
Sub 計算() Dim keycardCount As Integer keycardCount = Range("C3") Dim deck As Integer deck = Range("C2") Dim threshold As Integer threshold = Range("C5") For k = 3 To keycardCount + 2 Cells(8, k) = k - 2 For j = 9 To 35 Dim res As Single res = 0 For i = k - 2 To keycardCount Dim a As Double Dim b As Double Dim c As Double Dim d As Double Dim e As Integer Dim f As Integer Dim r As Single e = deck - keycardCount If Cells(j, 2) < i Then Exit For f = Cells(j, 2) - i If e < f Then Exit For a = Application.WorksheetFunction.Permut(keycardCount, i) b = Application.WorksheetFunction.Permut(e, f) c = Application.WorksheetFunction.Permut(deck, Cells(j, 2)) d = Application.WorksheetFunction.Combin(Cells(j, 2), i) r = a * b * d / c res = res + r Next res = Application.WorksheetFunction.RoundDown((res * 100), 1) If res >= threshold Then Cells(j, k).Font.ColorIndex = 3 Else Cells(j, k).Font.ColorIndex = 1 End If If res = 0 Then Cells(j, k) = "-" Else Cells(j, k) = res End If Next Next End Sub
【エレメンタル酒造】の紹介
休止後もだらだらとプレイを続けている。
特に何が変わったということはないのだが、強いて言えば、より狙ってデッキを作るようになった。
「狙って」とはどういうことか。
世にパラディンが流行り出した結果、今度はもっと使われないヒーロー、もっとマイナーなデッキを追い求めるようになってしまったのである。
(見づらい!)
左から、まず普通に作ったクエストウォーロックデッキ。これはそこそこ回るものの、クエローグとか海賊ウォリアーに速度で負けるので、もう少しコントロール寄りで行こうと決意した。
次に真ん中のコントロールぎみデッキを作った。これは破棄する枚数を抑えめにし、中盤以降に勝負所を持って行ったデッキだ。除去呪文も大量に入れて、中盤まで凌げる構成にし、いざとなったら【デスウィング】でクエストノルマを達成する。相手のミニオンを全てクリアすることができるので、ゆっくりとポータルで勝つ作戦だ。
実戦すると、何とかなることはなる。しかしポータルを出しても、場が安定するまでにこちらのライフが危なくなっていたりして、それほど安心はできなかった。もう少し余裕が欲しいという感想である。
ならばと、最後に右の「普通のコントロールデッキとして運用しおまけでクエスト達成するデッキ」を試してみた。このご時世にハイランダーデッキを組むという、極端な構成だ。
何度か試した結果、ここまで行くとそもそもクエスト無くてもいいという結論に至る。さらに、昨年までレノロックを構成していたカード群がスタンダード落ちしているため、パワー不足は否めない。
結果として、また最初の普通にクエストを達成するデッキに戻ったりして、十分戦える【クエストウォーロック】を見つけることはできなかった。
で、目先を変えて作ったのが、今回の本題【エレメンタル酒造】である。
エレメンタル酒造。
いい名前だよね。
ここ最近デッキに付けた名前で、一番いい。
大小さまざまなエレメンタルを樽に詰め、せっせと出荷する。そんな酒蔵の風景が目に浮かぶようではないか。
【エレメンタル酒造】
まさかのハンターデッキである。
デッキの構造を詳細に書くならば、このデッキは【エレメンタルコントロールクエストハンター】だ。
が、それでは長いのでデッキの核になるエレメンタルカードと【若き酒造大師】の名前を取って【エレメンタル酒造】とす(feat. ゲーム帝国)。
・デッキ作成の成り行き
基本的にハンターのクエストは達成が速めである。しかしいくつか試した結果、初手からごり押ししていくデッキは、相手ミニオンに対処できずに押し負けるパターンが多かった。要はクエストを達成しても、ライフがギリギリだったりしてあまり利点を享受できずに負けてしまうパターンだ。ここまではウォーロックと同じなのだが、ハンターには優秀除去【必殺の一矢】がいるし、秘策もあるのでコントロール寄りにしてみたらいいのではないかと思ったのだ。
・1マナミニオンについて
1マナミニオンは【ファイアフライ】と【飢えたカニ】のみ、全て出しても6枚しかないので、他の手段で1マナミニオンを手に入れる必要がある。
もちろん最有力は、デッキ名の由来でもある【ファイアフライ】への【若き酒造大師】である。3マナで【ファイアフライ】を出してから手に戻す動きで、カード2枚で実質4回1マナミニオンを召喚できる。パッと見は【影隠れ】に比べて効率悪そうなんだけど、場にしっかり3/2が残るというのは良い点。
後は【火成のエレメンタル】で2枚手に入れるか、【カリモスの下僕】で【ファイアフライ】を引くということになるが、どちらも確定ではないので注意しよう。特にメイジとシャーマンが相手の場合、【動物変身】や【呪術】を使われると【火成のエレメンタル】から1マナが出なくなるので、要注意である。
・戦術など
1マナミニオンを十分手札に入れるまでは、他の呪文カード等で時間稼ぎをすることになる。
【凍結の罠】【爆発の罠】は、相手を見て使いどころを間違えないようにしよう。横並びのデッキなら【爆発】、遅そうなら【凍結】。
【飢えたカニ】も、相手によっては重要なコントロール要素になる。アグロで【ブルーギル・ウォリアー】が出そうな時や、パラディン相手の場合はすぐ使わずに待ってみよう。
また【猟犬を放て】と【カルトの教祖】のコンボはベーシックだけど強力なので、積極的に狙おう。場に1/2のエレメンタルが多数出ている時にも、【カルトの教祖】でドローするチャンスだ。大抵1/2ミニオンは放っておかれるので、とりあえず出しておくのも悪くない。次のターンに大量ドローが見込める。
【タール・クリーパー】と【トルヴィアのストーンシェイパー】は、大切な防御カードである。ハンターに似つかわしくないエレメンタルミニオン達をうまく使って、最大限に効果を発揮できるようにしよう。エレメンタルをつなげる意味でも1マナで使える【ファイアフライ】は非常に重要である。
このデッキはクエストを達成しつつ、盤面を相手に渡さないようにコントロールするデッキだ。大切なのは「慌てないこと」。これでも10マナまでにはかなりの確率でクエスト達成できる。考えなしに【ファイアフライ】をプレイせずに、じっくり構えよう。
たとえ出すのが遅れたとしても、1マナなのだ。いくらでも隙間のマナは生まれる。極端に言って、7マナ目で7体出しても達成できるわけで、その調節しやすさが他のクエストとは段違いである。
・終わりに
というわけで、最近はこの【エレメンタル酒造】でずっとプレイしている。同時に新環境になった闘技場をたまにやるのだが、一つ物申したいことがあるんだ。
あのメイジの【メテオ】ってのは何だろうか。
【爆発の一矢】より1マナ多く払うだけで、中心に15点、サイドに3点ずつってひどすぎやしないか。【爆発の一矢】は中心5点、サイド2点だから、合計12点も【メテオ】の方が多い。
普通1マナで12点も増えるか?
最近使われていないカードだから上位互換を出したんだろうけど、これはちょっと改善していただきたい。せめて3体に4点ずつとか(それはそれで強すぎ)。
話はそれたが、そんな【エレメンタル酒造】。環境を知り、相手のデッキを知っていれば、結構勝てまっせ。
じゃあまた。
太陽の子とトークンパラディンと休止。
マンモス年のスタンダードが始まった。
序盤は【クエストローグ】のクソゲー感に辟易して端末を割りそうになったが、すぐに数は減ったので何とか持ち直すことができた。
あいつはいけない。
いや、別にいけなくはないし対策もできるのだが、いかんせん相手がカードを出したり引っ込めたり、しばらく考えたと思ったらグルグルバタバタと一人プレイをやっているのを見せられるのが、とにかく苦痛だ。
あいつとやる時だけは、何だか違うゲームしてる気分だよね。まあいいんだけどさ。
で、その間(クエローグだけは許さんぞと思いながら)いろんなデッキを組んで遊んでいて、ようやく最近落ち着いたのがこんなデッキであります。
【ヒーローパワー】やら【ジャングルの遭難者】やら【ヴァインクリーヴァー】やら、挙句に【闇への抵抗】まで使って、シルバーハンド新兵を横に並べるデッキだ。
まずは何と言っても、ウォリアーのクエスト報酬【サルファラス】から放たれる「ランダム8点」を避けやすくなるのがいい。クエストウォリアーは全体除去手段を豊富に持っていることが多いが、比較的安価に【シルバーハンド新兵】を量産できるので、相手にとってみれば効率が悪い。
残った【新兵】に【剣竜騎乗】や【恐竜化】をかけて殴る、というのが一つのパターンだ。また【ダークシャイアの管理官】や【光合のステゴドン】で聖なる盾を付けたり、バフして殴るという道筋もある。
加えて【太陽の番人タリム】が横展開に非常に向いている。コストが6で済むため、前ターンに【ヴァインクリーヴァー】を装備しておいてから、【ダークシャイアの管理官】⇒【ジャングルの遭難者】⇒殴る⇒【タリム】で10マナ使って、聖なる盾を装備した3/3が4体と、素の3/3と3/7を一気に場に出すことができる。
しかも武器で4点出せるため、相手のミニオンを倒してから盤面を圧倒できるのだ。
非常に気持ちがいい。
今は徐々にパラディンが増えてきてるけど、マーロック主体のものが多い印象である。そんな中、こういうのもいいんじゃないでしょうかというご提案。
最後に、家庭の事情のため今後しばらくは更新できなさそうであることを、ここに報告しておく(別にそんなに読者が多いわけじゃないけど、いきなりほったらかしにするのも気持ち悪いのだ)。
まあ落ち着いたらまた更新しますわい。
レッツ、マンモス!
パオパオチャンネル 〜ウンゴロ所感②〜
(※タイトルと内容に関係はありません)
ウンゴロの全カードが出揃った。
もうリリース間近なので、言いたいことを言えるのは今だけだ。リストを眺めて気になったことや、カードについて書いておこうと思う。
まずは【適応】。
思っていたより「他のミニオンを適応させる」効果が多かった。ということは「攻撃するまで隠れ身や呪文の対象に取らせない」こともできるし、「デカいミニオンに挑発や猛毒を付ける」こともできる。
もちろん適応の効果はランダムで3つ選択されるので、望みの効果が出現する確率は30%とあまり期待はできない。
しかし【隠れ身】か【呪文とヒロパの対象とならない】か、2つのうちどちらかで良いというような場合には、成功確率は5割を超える。
さらに【疾風】か【攻撃+3】か【+1/+1】のどれか一つを突撃ミニオンに付けてとにかくバフしたい。みたいな「3つのうちどれかで良い場合」には、7割を超える確率で望みは叶えられる。
まとめると「発表当初よりは強そう」な印象だ。まあ、こんなもん実際にカード触ったら全然違ったりするんだけどな。
次は【クエスト】。
これは発表時とほぼ印象が変わらない。初手で使用することを想定すると、「特に短期的な効果がないカードを使う」ことになるので、単純に手札が減る。
ある程度長期戦になる仕組みのため、手札が1枚少ない状態で相手の攻撃をしのいでいかなければならないわけだ。その分ドローカードを増やすという選択肢もあるが、ドローにもリソースを使うわけで、より一層テンポは失われるだろう。
つまり、クエストを主体にしたデッキは序盤に猛攻をかけられたら押し負ける可能性が高い。おそらく環境初期はまたアグロの天下になるんじゃないかとは思うが、ちゃんとアグロ対策カードも増えているので、バランスは取れていると思いたい。
個別のカードで一番気になったのは、まずパラディンの【The Last Kaleidosaur】だ。
【クエスト:味方のミニオンに6回呪文を使用する】
理由は3つ。
①自分のミニオンにかける呪文が使いやすそう
パラディンは、ミニオンを対象とできるカードが低コストに豊富である。
例えば【智慧の祝福】でカードが引けるし、【力の祝福】や【聖なる力】は普通に使える。【禁じられし癒し】もまあ使える。さらに、新カードの【Adaptation】は【火霊術師】に猛毒をかけることで全体除去になるらしい(ハースゲーマーズさんより。猛毒が出る確率は30%だが、外しても聖なる盾を選んで平等とか、体力を上げてから呪文連打で複数除去とか、できる可能性がないわけではない)。
②【神聖なる恩寵】がある
クエストデッキは手札が少ない。プラス、上で挙げたようなミニオンにかける呪文はコストが低いので、基本的には手札が減りがちであると予想される。
2枚引ければ及第点な【恩寵】は、おそらくパラディンのクエストに合っているだろう。
③単純に【ガルヴァドン】が強そう
何と言っても適応5回である。
5回もあれば、狙っているある効果を付けられる確率は「91.6%」にもなる(俺計算。一回でも選択した効果がその後出現しない場合→などと言っていたら、同じ効果出るのね)。
これはいいぞ。
隠れ身を付けてしまえば、次のターンまで生き残る確率は格段に上がる。さらに他の効果も4回付けられるので、最高の場合【9/6 疾風 隠れ身】のミニオンになってしまう。
これだけでも18点出るのに、クエストの性質上他にもミニオンをバフする呪文が入っているため、それ以上の攻撃力を叩き出す可能性がある。
もし攻撃が5点止まりだったとしても、手札に【力の祝福】や【祝福されし勇者】があれば同じこと。非常に危険なリーサル手段になり得ると、今のところ思っている。
次がウォリアーの【Fire Plume's Heart】(というか報酬の【Salfuras】)。
【雄叫び:ヒーローパワーは「ランダムな敵に8ダメージ与える」になる】
これはもう報酬がただただ魅力的。【ラグナロス】が殿堂入りしたからこそ作られたカードであり、そのまんまなんだけど無性に使ってみたい。毎ターン2マナって微妙な気もするけど、とにかく連打したい。
クエスト達成のためには「手札から7体挑発を持ったミニオンをプレイ」しなければいけないが、挑発ミニオンが増える分にはアグロに対抗できるので、環境初期には有効なのではないかと踏んでいる(その後はもちろん不明だ)。
実はちょっと前にこんなデッキを組んだので、アレンジしたら行けそうかなと思っていたのだが……。
【挑発ウォリアー】
【ヴァリアン・リン】【奮起】【獰猛なサル】が軒並みスタン落ちなので、ちょっと厳しいかもしれない。
あと気になっているのは、シャーマンの【マーロック大連合】とウォーロックの【Lakkari Sacrifice】だ。
シャーマンの方は、クエストにしては軽いので「マーロックをしこたま詰め込んで即達成して殴り勝つデッキ」を一回は試すだろう。
手札からでなくただ「召喚」と書かれているので、新カードの【Primalfin Totem:自分のターン終了時1/1のマーロックを1体召喚】でも条件を満たすものと思われる。【エラばれし我らにヒレ伏せ】が退場してしまうため、全体強化はできなくなったが、何とかがんばってほしい。
ウォーロックの方は、おそらく6枚破棄のタイミングを探ることになるだろう。
破棄するカードが多ければ達成は早まるわけだが、手札が減りすぎた場合、結果的に破棄スピードも遅くなってしまう。
逆に、ある程度遅いデッキで終盤にかけて達成するようなバランスにすると、達成まで持たない可能性が高まる。何せマンモス年のグルダンは【レノ・ジャクソン】を連れて行けないのだ。2点の血を流して手札を引きまくっても勝てる道筋は、今のところ見えていない。
じゃあやっぱりアグロディスカード路線がいいのか? その場合、カード供給手段は?
バランスの取れた構築が発見されるまでは、意外と使いづらいのかもしれない。いっそ【破滅!】なのか。いやしかし……。
クエストについては、だいたい以上。
メイジはよっぽど考えて組まないと達成できないし、達成してターンが増えても、そこで有効に使えるかは疑問。結構難しいだろう。
プリーストはおそらく、デッキ切れ近辺まで引っ張るデッキになるだろう。断末魔一巡してから【ン=ゾス】で時間稼ぐんだろうな。
ローグはトリッキーすぎて、逆に組みたくなる(でもきっと成功しない)。
ハンターとドルイドはピンとこない。現状では正解が良く見えない。
さあ、最後はその他の雑感。
・隠れ身について
今回【Sabretooth Stalker】という「8/2隠れ身」のミニオンが追加された。さすがに隠れ身を舐めすぎじゃないか。次のターンまで8点が生き残ったらどうするんだ。
パラディンなら【適応:攻撃+3】【適応:疾風】【祝福されし勇者】で7マナだから、いきなり次のターンに44点出ちゃうぞ。
もちろん、そんなにうまく行くことはまず無いだろう。しかし隠れ身ミニオンは他の効果で付加するものと違って1ターンでは切れず、こちらが動くまで永続的に残るのだ。全体ダメージが1点止まりと予想できた場合は場に置いておけるわけで、かなり危険だと思うんだがな。
【隠蔽】を殿堂入りさせたのも【変装の達人】をnerfしたのも良からぬコンボを警戒してのことだったはずだが、さてどうなるか。
・デッキ組んだ感触について
Hearthpwnのデッキビルダーにウンゴロのカードが追加されてたので、デッキを組んでみたわけですよ。
で、その感想としては、思ったより痒いところに手が届かない。
コンボパーツの片割れだけ使えなくなっていたりするので、当たり前だが今までのロジックで組むことができない。し、こういう場合は似たようなカードで再現しようとしても失敗するのでやめた方がいい。
あとすごく変わったと感じたのは【ソーリサン皇帝】が無いので10マナ以上のコンボが組めなくなったことだ。これまでであれば「終盤までカードをキープしておいてコストを下げてズドン」みたいな考え方もできたわけだけれど、今後は基本的に10マナ内で考える必要がある。わかりやすい反面、意外性はなくなった。
代わりにメイジのクエスト報酬がその「一発コンボ枠」を担うと予想されるが、先に書いたように「クエスト達成用のカード」と「コンボ用カード」のバランスが難しそうで、実用レベルのデッキが今は想像できない。
・恐竜時代とは
新カードリストを眺めていると「獣が多い」ことと「ヘルスの高いミニオン」が特徴的だなと思った。恐竜をモチーフにしているからなのだろうが、「ヘルスの高いミニオンで守りながら押していく」みたいなデッキもいいよね。
ある程度の除去手段はどのデッキも積んでいるはずだが、大型ミニオンを連打されたらさすがに処理に困るタイミングが出てくるはず。そこを攻めることができれば、恐竜が環境にはびこることも十分考えられよう。
さて、そんなこんなでもうこんな時間だ。
そろそろ年が明ける。
さらば【不気味な像】よ(そこか)。
夜明け前でもまだ明けぬ ~デッキ構築について②~
ウンゴロがやって来る。
ゴロゴロやって来る。
この時期は本当に、毎日リリースされるカードを眺めながら妄想するのが楽しいよね。だがしかし、そんな時期になぜこんな内容を書くのか自分でも疑問だが、今回はデッキ構築についてである。
新環境のカードは確かに気になるが、できるだけ現環境での模索を続けて「新環境で使えるアイデア」はないか、試しておくのも悪くはない。
例えばすでに過去のものとなった【クトゥーン】などが新カードによって劇的に復活することはあり得るわけだし、何より残り少ない現環境のランクマッチを楽しむためにも、今いろいろデッキを作る練習をしておくのはいいことだよね。
はい。
で、最近俺はデッキの構築についてそれなりに真剣に考えておったのである。もちろん世の中にはいろんなデッキの作り方ガイドがあって、参考にもしている。しかし我流のところもあるわけで、何となく今のデッキの作り方をメモしておこうと思った次第である。
俺は大まかに、以下のような流れでデッキを組んでいる。
1.デッキコンセプトもしくはキーカードを決める
2.デッキの速度と戦術を決める
3.確率を考慮に入れ、マナカーブを整える
4.試運転と推敲をしてなじませる
5.ランク戦に使い、微調整する
特に変わったところはないと思うが、他の人と被っているところを解説しても冗長になるので、特徴的なところだけ書こうと思う。
・勝とうと思うな
いきなり挑戦的なテーマである。でも、俺はこれが一番重要だと思っている。
もちろん最終的には勝った方がうれしいわけなので、厳密には勝とうと思っていい。しかしデッキを作る段階で「勝てるデッキ」を作ろうとするのは、あまり良くないと考えている。
なぜか。
勝とうとすると道筋が狭くなるからだ。「好きなように遊んでいいよ」よりも「勝つための方法を考えよう」の方が、選択肢が狭まるからだ。
例えば休みの日。
「どこでも好きなところへ行っていいよ」と言われたら、行きたいところへ行くだろう。しかし家族や他の予定との関連で「お台場から出ない範囲で、好きなところへ行っていいよ」と言われたら、相当に選択肢が狭くなるよね。
それと一緒(暴論)。
「勝とう」とすることで、デッキの選択肢は狭くなるのだ。で、選択肢が狭くなることで、知らず知らずのうちに今の環境を意識したり、強いデッキの対策をしなければいけないという意識が生まれて、デッキは縮こまる。本当に自由な発想でなく、何となく今の環境に収まった、行儀のいいデッキになってしまう。
それではダメだ。いや、正確にはダメではないが、それなりのデッキしか生まれない。突然現れる面白いデッキは、そんなやり方では生まれにくい。子供のような自由な心で遊んだ先に、エポックメイキングなデッキはあると、俺は信じる。
要は「たくさんデッキを作って、常識外のデッキを見つける確率を上げよう」ということだ。
(余談だが、こういった考え方は俺がむかし教わった「ブレインストーミング」のやり方に通じるものがある。今ではブレストも一般化して、ただの気楽なアイデア出しみたいな感じになっているが、その時先輩に教わったブレストは「あまり考えずとにかくアイデアを出す」「人の意見を否定しない」「そうすることで意図しないようなアイデアが生まれやすくする」というものだった。まさに脳みそに嵐を起こして、お行儀のいい体裁や、人からどう思われるかというくだらない自意識を取っ払う。そんな言葉の殴り合いのようなものだった)
……。
なんて言ってはいるが、本当は勝てるかどうかは二の次なのだ。
俺はそもそも「無理しないでハースストーンを楽しみたい」んだ。それを外したらやっている意味がない。やめた方がいい。目的は「楽しいデッキを作る」ことであり、「ワクワクするようなコンセプトを見つける」こと。
楽しいデッキをたくさん作ろう。
勝てるかどうか、メタを気にしておずおずと1〜2個のデッキを作るより、10個、20個、100個の失敗デッキを作ろう。
その中に絶対いいデッキはあると断言する。
では次。
・確率を意識せよ
もしかしたらこれは、人によっては必要ないかもしれない。なぜならばこの項は、デッキを確率の面から見てみようというものであり、「そんなこと気にするより、組んで戦ってを繰り返したほうがいいよ」って人もいると思われるからだ。
少しだけ複雑な内容も含まれるので、もし合わなかったら読み飛ばしてもいいと思う。けど、本当はここが結構面白いと俺は思っているので、よろしければどうぞ。って感じである。
さて、ではデッキを確率で考えるってどういうことか。ここでは、普段俺が気にしているアプローチについて書いておく。
それは「マナカーブ」と確率だ。良く「事故らないためにマナカーブを整える」みたいな文脈で聞きますな。序盤のテンポを失わないために、2マナまでを多めにデッキに入れ、そこからなだらかに減らしていく。等々。
この考え方は、闘技場では必須と言っていい。闘技場は一手遅れると後々まで後手を踏んでしまうことになりがちなので、テンポを失わないようにデッキを組む時点でマナカーブを重視してピックする。
うん、これはいい。
しかしだ。
構築戦でこの考え方ってどれくらい有効なんだろうか。そもそも闘技場と違って「敢えてカード出さないターン」もある。さらにドルイドに至っては「マナを増やすカード」があるので、闘技場のような「テンポを失わないマナカーブ」という考え方は、それほど有効でないのは明らかである。
けれども、構築デッキだからと言ってマナカーブを全く無視していいというわけでもなく、ある程度「カードの引きやすさ」は考慮する必要がある。
例えば「終盤に勝負を決めるデッキ」にコストの重いカードばかりを入れても、そこに至るまでにライフが0になって負けてしまうだろう。そこで考えるべきは、デッキのバランスを考えて中盤までの「相手の攻撃をしのぐカード」を入れることだ。
そう言った「構築デッキにおけるマナ構成」の考え方を、もう少し掘り下げてみたい。
まずは構築戦のデッキを分解して、それぞれの使用タイミングを明確にする。例えばこんなデッキ。
【アグロ動物園パラディン】
このデッキはコストの低いミニオンをバフして連打してバフするという、非常にアグレッシブなミニオン主体のデッキだ。プレイ中に考えることはバフの順番ぐらいで、基本は「攻め続けること」だというのは、このリストを見ただけでわかるだろう。
ではこのデッキで気をつけるべき「確率」は何か。それはドローカードを引くタイミングだ。
このデッキは手札が減るのが早い。唯一のドローカードである【神聖なる恩寵】をいつ引くかが、勝負を分けると言ってもいいだろう。引けなければ手札の差で負けるし、遅いデッキ相手に大量ドローできれば、押し勝てる可能性が増すだろう。
では一体、2枚入っている【神聖なる恩寵】は、何ターン目までに引けるのか?
【n枚入っているカードが最低1枚引ける確率】
このシートは、同じ用途で入れたカード群について、最低1枚引ける確率を引いた枚数別に出したものだ。
「ターン」「枚数」は、ドローカードを考慮しない場合のターン数とそれまでに引いた累計カード枚数。黄色い横軸が「デッキに入れた枚数」。
表内に「n枚入っているカードがxターン目に最低1枚引ける確率」がずらずら計算されている。(※1)
赤い数字は4回に3回その事象が起こる「75%」を超えた箇所だ。ここを目安にすれば、ある程度計算できる枚数は何枚なのかがわかるというわけだ。
一般的に闘技場で「2マナは7枚ピックせよ」などと言われるのは、この確率を基にしていると思われる。7枚デッキに入っているカードは、先攻の2ターン目(=5枚目のドロー)までに76.4%の確率で引ける。
4回に3回以上は2ターン目に2マナのカードをプレイできるわけだ。
この表を見れば「8枚にすると2ターン目までに引く確率が81.5%になり、5回に4回以上引ける」というような議論もできる。つまり「序盤の安定性を高めたい場合には7枚⇒8枚とする」という行為を確率で担保することができるわけだ。
では、この表を使って先ほどのデッキに2枚入っている【神聖なる恩寵】は、何ターン目までに引けるのかを見てみよう。
2枚入っているので、横軸2の列を見る。75%を超えているのは「累計15枚目」だ。つまり15枚引かないと「4回に3回、最低1枚以上【神聖なる恩寵】を引く」という条件を満たさない。
これは少々厳しい。
1枚以上引く確率を50%以上と低く見積もれば、9枚目(6ターン目)に条件を満たすが、それでは2回に1回はドローできなくて負けることになってしまう。
つまり、このデッキに対する有効な調整案は「もっとドローカード入れろ」である。
【アグロ動物園パラディン v2】
【コールドライトの託宣師】を2枚入れ、これで3マナのドローカードが4枚に増えた。「4回に3回1枚以上【神聖なる恩寵】を引く」ためには9枚ドロー(=6ターン目)でいいことになる。
このデッキのカード1枚当たりの平均コストは2.23。5ターン目までに累計15マナが使えるので、6ターン目に入った時、期待値で6.7枚ぐらい使っている計算になる。その時の残りカードは「それまでのドロー総数9枚 - 使用期待値6.7枚」で2.3枚だ。
言い換えると「6ターン目でだいたい手札が2枚残っていて、3/4の確率でドローカードを1枚は引いている」状態であるということだ。
うん、これはちょうどいい感じになった。
もちろん、カードの平均コストが低ければまたすぐに手札切れを起こしてしまうので、そこはそこで調整する必要はある。しかし、確率の担保があることで「このカードは何枚必要」という判断理由が少し強固になったことは、感じていただけるだろう。
こんな風に確率を使うことでデッキのテンポを良くなり、バランス調整に役立つわけだ。
では別の例。
「コンボパーツが6枚入ってて、その内2枚引きたい」というような時はどうすれば良いだろうか。例えばこんなデッキ。
【OTKパラディン】
このデッキは、中盤まで【終末予言者】とか【平等】+【熱狂する火霊術師】でしのいで、終盤にOTKを目指すデッキだ。
コンボパーツとしては以下の5枚。
【レイヴンホルトの暗殺者】
【リロイ・ジェンキンス】
【力の祝福】*2
【祝福されし勇者】
この内4枚を引けば最低19点出せる。
じゃあ5枚中4枚っていつごろ引けるのだろうか。上の表ではこれに答えることはできないので、また別の表を作りました。
【5枚中a枚以上引く確率】
表の上部にある「キーカード枚数」というところが、コンボパーツだと思ってほしい。要は、デッキ内に何枚コンボパーツが入っているかだ。
「ターン」「枚数」は、前の表と同じ。ドローカードを考慮しない場合のターン数とそれまでに引いた累計カード枚数。
黄色い横軸は今度は「キーカードのうち何枚引けるか」だ。
実行ボタンを押すと、表内に「5枚入っているキーカードがxターン目にa枚以上引ける確率」がずらずら計算される仕組み。(※2)
5枚のうち1枚引ければokなら、7枚目で確率は75%を超える。5枚のうち2枚引きたければ14枚、5枚中3枚引きたければ19枚ドローしないと、確率が75%にならない。
そして目的の「5枚中4枚」は、25枚のドローが必要になってしまう。ドローカードは【苦痛の侍祭】と【しめやかな通夜】なので、デッキの半分の位置では4枚ぐらいのドローが期待できる。
よって、およそ18ターン目にはコンボパーツがそろうことが多い、という結論になる。
どうだろう。
果たして豊富な全体除去と回復で、18ターン目まで耐えられるだろうか。
それはやってみないとわからない。何度か実際にプレイしてみて「コンボパーツが揃うまで持たないことが多い」と感じたら、1枚だけ増やしてみよう。
【6枚中a枚以上引く確率】
表を見ると、6枚中4枚引く確率が75%を超えるのは21枚目のドロー。先ほどと同じくドローカードを4枚と考えると、14ターン目まで早めることができた。これでまた何度かプレイして、デッキの精度を上げていくわけだ。
もちろんこれも、経験則でなんとかなるかもしれない。きっと経験のあるプレイヤーは、こんな計算をしなくても「いい感じ」にデッキを整えることができるだろう。
でも、俺はそこまで行ってないので、こんな計算を日々地味にやりながら、デッキを組むための目安にしているというわけなのだ。
さあ、クラーケン年に無理やり入れようとした、そんなブログエントリーはこれで終わりだ。次回は「ウンゴロレビュー」をやれればいいなあ。
(文中に(※1)(※2)と書いたところは、後で計算式を追記しようと思っています)