改宗プリーストは改宗しました
超絶私事ではあるが、いま入院している。
入院している間にコボルトがリリースされ、遅れを取ったままだったのだ。
が、先日ついにノートPCの使用を許可されることになり、めでたく新環境にデビューすることができた。
うん。面白いね。
専用レジェンドがすごく強いのと微妙なのに二分されている感じ、クエストやDKと似てる。今のところキングスベイン一強な気もするけど。
で、いろいろ試してみました。
とりあえず引いた【キング・トグワグル】で「自分のデッキを削ってから相手に渡し、そして渡し返させないデッキ」を作ってはみたが、案の定難しい。
とっかえメイジ&ローグ
方針としては以下。
- パーツが揃うまでとにかくドロー
- 揃ったら【号泣のバンシー】を出す
- 自分のデッキを削る
- 秘策を貼るなど準備
- 【キング・トグワグル】で取り替える
- その後は秘策で【王の身代金】を無効化したり、【探話師チョー】先生や手札に戻すカードなどでもう一度使ったりして相手に疲労ダメージを与える
まああれよ。
【クライヤミ】とか使ってもいいのかも知れないけど、確実性の低いロマンデッキの域から出ることはできなかったと。
そして本題。
改宗プリーストは、改宗しました。
(改宗)ビッグプリースト
改宗要素はほぼ無くなり、ほぼ巷にあるビッグプリーストの通りと言っていい。
【ダイヤモンドの小呪文石】が追加され、復活性能が格段に上がってしまったのだ。仕方ない。ハイランダープリーストに行かなかっただけ偉いと思おう。
ただ、工夫した点が一つある。
【眠れるドラゴン】を入れたことだ。
[4/12 挑発]のスタッツは対プリーストに有効であり、かつ複数のミニオンを止めることができる。さらに【ドラゴンファイア・ポーション】でダメージを受けない。
あと【精神支配】は改宗勢力最後の砦として入れた。弱小政党が政権に吸収された時に、派閥のバランスを取って、弱小政党の党首を端っこの大臣に入れるようなものである。
実際、勝率は7割を超えている。確かに強い。
しかしいつかまた、改宗プリーストは復活するだろう。その時までせいぜい首を洗って待っておくがいい(なんだこれ)。
もう一個(キングスベインにムカついて作った)【翡翠ローグ】もメインで使っているのだが、それは次回。
【KFT】それほどでもないデッキ紹介③(+ナーフについても少々)
本当は違うデッキにしようと思ったのだが、出そうと思った【コントロールシャーマン】とか【断末魔ハンター】がイマイチだったので、騎士団環境での【改宗プリースト】を最後に持ってきてお茶を濁すことにする。
ちなみにコントロールシャーマンの方は、ワイルドではそれなりのデッキができたんだが、ハンターは難しかったなー。
ハンターのヒロパって、アグレッシブに相手のフェイスを狙っていく戦法を前提にしているので、少し遅くなるだけで非常にきついよね。ヒロパを替える【恐竜術】も結局はミニオンを強くして殴る感じになりがちだし、かと言ってタイミング良くデスナイトを引けるわけでもないし。
ちょっとコントロール寄りにしようとすると、ヒロパと食い合わせが悪くて「やっぱりレクサーはミッドレンジまでだよね」ってなるのを何とかして欲しいものでござる。
改宗プリースト v3.0
デッキ概説
さて、早いもので3回目の改宗プリースト紹介だ。前2回は↓こちら。
あるクエストパラディンの話と、改宗プリースト - 無理しないハースストーン
全体としてコンセプトを変えてしまうと【改宗プリースト】と呼べなくなってしまうので、前回と大きく変わったところはない。今回は控えめに、新しく追加されたカードについて書いておくに止める。
【永劫の隷属】
今回追加されたカードで一番重要。死ぬほど有用。
ほぼ唯一の正解は【リッチキング】を4マナで復活させることである。【オニキスのビショップ】などと違い【発見】なので、それまでに2体しか死んでいない時は確定で【リッチキング】が復活する。2枚あれば2体。ああ強い。
もちろん巡りあわせによっては相手からパクった挑発持ちを復活させたり、【メディヴ】を復活させて【酒造大師】で再利用したりもする。そこらへんは状況に応じて、である。
総じて、4マナで4マナ以上の価値は十分ある。他のプリーストデッキでも良く使われるので、プリーストやるなら必須と言ってもいいほどのキーカード。
【影の真髄】
別になくてもいいが入れている。
【リッチキング】が大当たりで、その他は外れ。ただスタッツは5/5あるので、手持無沙汰な時にふわっと使うと意外に役に立つ。
【リッチキング】
好き。
とにかくどんなデッキにも入れておけというカード。デスナイトカードは1個外れ(デッキから5枚破棄してミニオンを召喚するやつ)はあるが、大体強いのでOK。
似た効果の【イセラ】と比べて、挑発が付いているのも素晴らしい。【永劫の隷属】を使うことも考えて、ほぼ全ての局面において最速のタイミングで使うべし。
【影刈アンドゥイン】
コンセプト的には無くてもいいんだが、雄叫びの効果が強いので入れた。【ボーンメア】と、その効果で強化されたミニオンの両方を除去できるのが非常に強い。
ただし「回復のヒロパが使えなくなる」という明確なデメリットがあるので、使用は終盤本当に困った時に限定しよう。
使わなくても勝てるならそれでいい。そんなカードである。
カード入替え
今回は、改宗プリーストにしてはややお高い構成。
レジェンドの中では【影刈アンドゥイン】、その他では【影の真髄】が入替え候補だ。次点で、環境によっては【秘密を喰らうもの】も入れ替えて良いだろう。
追加の候補は↓こんな感じ。
・どんな時でも
⇒【影の幻視】を追加
・アグロ環境なら
⇒【密言・痛】を追加
⇒【上級回復ポーション】を追加
・遅めの環境なら
⇒【琥珀の中に眠るもの】を追加
デッキ相性など
ミッドレンジデッキは大抵得意である。
苦手なのはまず、【海賊ウォリアー】とか【アグロドルイド】みたいな「早いターンから打点が高いデッキ」。
そして、それとは逆に【クエストメイジ】とか【翡翠ドルイド】とか【コントロールプリースト】のような「深いターンほど強くなるデッキ」だ。
前者はまだ、適切に対処すれば勝ち目はある。しかし後者は決まってしまったら負けなので、雲行きが怪しくなったら早めに自爆してもいいと思う。特に【コントロールプリースト】が相手だと、【ベネディクトゥス大司教】をプレイされると勝ち目がないレベルである。
まあこのデッキを選んだ時点で背負う宿命のようなものなので、潔く諦めよう。
終わりに
で、ここまで書いたら、次回のアップデートで5枚のカードがナーフされるというニュースが入ってきた。
まず一番の被害者はドルイドだ。【練気】【拡がりゆく虫害】の弱体化で、速度と硬さを抑えられることになった。
現在に限らずドルイドの強さ(とその特徴)は、【練気】や【野生の繁茂】を使うことで「ターンを逸脱したマナを使用できる」ことだったわけだが、今回その一角である【練気】が威力半減してしまった。
で、これさあ、カード1枚使って1マナしか出ないって、ほぼ使う意味無くないか。翡翠デッキで【競売人】の餌にする運用はまだ考えられるけど、弱すぎて入れるのをためらうレベルだなあ。まあ使ってみないとわからないけど。
【虫害】の方は、アグロに対する対処速度が遅くなるので、海賊ウォリアーに殴られるターンが1つ増えるということになる。まあ死にやすくなりますわね。でも今回同時に【烈火の戦斧】もコストが増えたし、アグロがさらに減ることが予想されるため、そんなに影響はないのかなー。って印象。元々横に並ばないデッキにはそれほど強くないし。
【マーロックの戦隊長】の弱体化については、推測するに、その他のカードを弱体化させたテストプレイで強かったのが「マーロックで殴りまくるデッキ」だったのだろう。パラディンとシャーマンの【アグロマーロックデッキ】が強くなりそうだったので【戦隊長】も弱くしたと。
【呪術】は何だろう。【動物変身】とのバランスを取ったのかな。
とまあ、露骨にドルイドとアグロを狩りに来たなー、ってのが感想なんだけど、実はここまでは前振りである。
騎士団のリリース後からしばらくは、デスナイトを使った遅いデッキが幅を利かしていた。その反動で現在は、月初ということもあり、もう少し速いデッキなど、色々なデッキが使われるようになっていると思う。
極端に遅いデッキでなければ、【改宗プリースト】は勝てるんだ!
正直、心の中でほくそ笑んでいた。
しかし、今回の修正で速いデッキに制限がかかったため、環境は再度コントロールに振れる可能性があるではないか。
それはまずい。
せっかく今月の出だしは悪くなかったのに、一週間でコントロールに逆戻りかよと。また【ハイランダープリースト】とかメイジとか流行っちゃうじゃんよと(あ、アップデートがいつになるかはまだ未定なのね。でもそんなに遠くなかろうて…)。
受難だ。
これは体制に反逆し、わざわざ少数派を選んでしまったアンドウィンの受難である。苦労したくないなら、普通に【コントロールプリースト】組んだ方がいいよ。そっちのが強いから。
それでも敢えて険しい道を歩くというなら、歓迎しよう。
さあ…。
改宗せよ!
【KFT】それほどでもないデッキ紹介②
ウォリアーが弱いらしい。
確かにウォリアーを見かけてもほとんど海賊だし、ここ↓でも堂々の最下位である。
The Top Death Knight Decks for Each of Hearthstone's Nine Classes
というわけでデスナイト入りウォリアーデッキのご紹介。ベースは公式デッキの【苦肉の計】を使用して、そこから抜いたリ足したりしてある。
ダメージウォリアー
デッキ概説
基本は【苦痛の侍祭】や【泡を吹く狂戦士】、【ドグサレガオ】などの「ダメージを受けることで利益を得るミニオン」をうまく使っていく。一昔前のテンポウォリアー的な戦い方である。
さらに今回、【狂戦士の鎧】【ブラッドレイザー】という新たな「ダメージソース」を得たので、これらとミニオン、相手の場の状況を見て適切なアクションを起こそう。
このデッキは必然ミニオンがダメージを負っていることが多いので、【暴走】は非常に強力だ。【泡を吹く狂戦士】や【苦痛の侍祭】を強化して恩恵を長く得ることができる。
また【狂戦士の鎧】+【リロイ・ジェンキンス】+【暴走】*2で10マナ12点のフラッシュダメージが出せるので、覚えておこう。
などと基本的なことを書いてきたが、実は、このデッキの最注目カードは【サンボーン・ヴァルキル】である。
このカード、隣接するミニオンに体力+2する効果である。こいつを使うことで、ダメージを受けがちな各ミニオンを生き永らえさせることができるのだ。
この効果は、このデッキのどのミニオンに使っても有効である。もちろん他のデッキでも有効は有効だが、「ダメージを受ける」ことで利益を出すミニオンが多いので、その効果が長続きするという意味で非常に有効。
マジでこのデッキスタイルのために考えられたカードと言ってもいい。しかも本体も5/4と十分なスペックだし言うことない。
後は、前回の【クエストパラディン】で似たようなミニオンを扱ったが【山火の甲冑】をうまく使うことである。
相手ターンに倒されれば、コストに対して破格の「装甲6」が手に入るので、このミニオンをいかに殺さず、相手にプレッシャーをかけられるかが非常に重要だ。
基本的には相手の顔面を殴る。死なない程度であれば、ミニオンを倒しても良い。
挑発ミニオンを出されると苦しいが、「武器で殴る」「【サンボーン・ヴァルキル】で体力を増やす」「【暴走】でバフする」「いっそ【リロイ】で倒す」など、あらゆる手を尽くしてこいつを生かそう。
特に【暴走】をかけてアタック7になると、相手も無視しづらくなるので積極的に狙うと良いだろう。
カード入替え
前回に引き続き、値段高めのデッキで何ですが、入替え候補カードをば。
環境にも依るので一概には言えないが、相手に返す手段が多く一回程度しか恩恵に預かれない【ドグサレガオ】は無くてもいい(もちろんうまく使うことができれば超強いので、あった方がいい)。また【リロイ・ジェンキンス】か【グロマッシュ・ヘルスクリーム】の突撃コンビは、どちらか無くても最悪イケるかもしれない。
それらのカードを入れ替えるなら、前述の【サンボーン・ヴァルキル】や【山火の甲冑】を追加するのがファーストチョイスである。【サンボーン・ヴァルキル】はデッキの安定性を高めるし、【山火の甲冑】は攻撃力を高めてくれる。
また、アグロに手を焼く環境なら【ヴァルキル・ソウルクレイマー】とか【デス・レヴナント】を入れてもいいと思う。
【ソウルクレイマー】の方は、相手ミニオンをちまちま処理しながら2/2が出るので速いデッキに強い。
【デス・レヴナント】はミニオンが多数いる状態で全体1点を使ってから出して巨大スタッツにし、【魚のエサ】で一掃するというコンボも狙える。
終わりに注意点など
と、これで簡単なデッキ紹介は終わりだ。
前回のクエストパラディンに比べれば、今回は低ランクで7連勝できたほどには強い。しかしこのデッキ、かなりパズル性が高いので、取り扱いには注意が必要である。
まず慣れないうちは【ブラッドレイザー】に特に注意が必要だ。
装備した段階で全体1点が出るので、そこで攻撃予定のミニオンを殺してしまわないようにしよう。また2回目を殴った直後に全体1点が出るので、その前に「ダメージを与えたいミニオン」を出しておくようにしよう。
次に【泡を吹く狂戦士】にも気を遣うこと。
どの順番で出したら相手に最大の脅威を与えられるか考えよう。基本はターンの最初に出して、アタック値を最大にするのがいい。しかしプリースト相手ならアタック4に調節しておくのが一番死ににくいし、パラディンは【聖別】があるので体力を3以上にしておく必要がある。
【狂戦士の鎧】が出ている場合は必ず1点受けてしまうので、その後【死憎悔いのグール】を使いたい場合や、【ブラッドレイザー】を使いたい場合は長考して最善手を見つけるまで動いてはダメだ。
筆者は何度も【泡を吹く狂戦士】を出し忘れて、最高のアタック値にできなかったことがある。それでアタックが足りなくて負けたこともある。
後から考えて間違っててもいいんだけど(最終的にはダメだけど)、とにかく自分の中で「これが最善!」という動きを考え抜くようにしよう。
以上!
(次回は懲りずにあのデッキを予定している)
【KFT】それほどでもないデッキ紹介①
Knights of the Frozen Throneが、いつの間にかリリースされていた。
いや、知ってはいたのだ。
全カードが発表されたらレビューしようと思っていたからな。
しかし全カード発表から3日でリリースって早すぎないだろうか。気付いたら書く前に出ちゃってたよ。
事前の印象では、エレメンタルメイジに【凍血の魔王妃ジェイナ】を足したやつとか、断末魔ハンターに注目していた。
結果としてはドルイドがひとつ抜けているようだけど、コントロールプリーストの嫌らしさとか、回った時の進化シャーマンとか、テンポメイジの安定感とか、構築次第ではいろんなデッキにチャンスがあるだろう。
ウンゴロ環境に引き続き、バランスが取れている方だとは思う。アグロをあんまり見ないことを除けば。
で、せっかくなのでレビューを兼ねて、ニッチなデッキを紹介していこうと思うよ。全3回の予定(そんなにやんのか)。
全て、そこそこ楽しく戦えるがトップデッキには敵わない。そんなデッキ達である。
It's your turn !!
It's your turn !!
そんな掛け声で相手を煽るデッキだ。
デッキ概説
デッキのコンセプトは非常に明快で、「今が相手のターンの場合、〇〇を召喚する」能力を持ったミニオンを多数そろえている。
これに加えて、【デビルサウルスの卵】も相手にとっては破壊したくないミニオンだ。大抵の場合、相手はこれらを放置することになる。
それを逆手に取って、呪文でバフして相手の顔面を殴るのが基本戦術である。間違ってもこちらのターンでミニオンを破壊してはいけない。攻撃力を高めに高めて、「相手に破壊させたくなる」ように仕向けるのが非常に重要である。
【アルガスの守護者】などで挑発を付与するやり方もあると思うが、【ガルヴァドン】をどうしても使いたいので、呪文でバフするスタイルとした(おい)。
この戦法の利点としては、まず相手がこちらのミニオンを「破壊したくない」ということである。破壊したくないということは、場に残るということなので、呪文によるバフをかけやすい。
また、仮に倒されたとしても「断末魔でミニオンを召喚する」ため、これまたミニオンが場に残りやすくなっている。
ウンゴロ環境での「そもそも呪文をかけるミニオンが残りづらい」というクエストパラディンの短所を、これらのミニオンで補うことができるのだ。
これは結構いいぞ。
特に【骸骨術師】に【剣竜騎乗】をかけたときのバリューが素晴らしい。
【4/8挑発】という硬めのスペックもさることながら、倒すと【2/6挑発】と【8/8】が出てくるんだぜ。
【8/8】の方は挑発に守られているから、こちらのターンで【祝福されし勇者】かけると16点も出るんだぜ。
カード入替え
デッキに入っているレジェンドはやや多めで、ちょっとお高いのが難点ではある。しかし、どれも単体で強いカードばかりなので、あった方がいいとは思う。
それを踏まえた上で入替え候補を紹介。
【退廃させしものン=ゾス】は替えてもいいカード筆頭だ。
そもそもバフして殴り勝つデッキなので、終盤までもつれにくい。無くてもそれほど影響はない。
火力を増すために【リロイ・ジェンキンス】か、【神聖なる恩寵】などのドローソースを入れるといいだろう。
特に【リロイ】は【力の祝福】*2とか、【祝福されし勇者】で12点出るので、一気にリーサルを狙うのに適している。レジェンドなので値段が変わらないのが難点ではあるが。
他の候補としては【ボーンメア】でミニオンを強化することも考えられるが、このデッキに関してはバフの前に倒されることはマイナスなので、本当に魔素に困ったらにしよう。
終わりに
せっかく新しいコンセプトのカードが何枚も登場したのに、使わないのはもったいない。そんな、頭から負けている発想のデッキである。
ちなみにこのデッキ、勝つ時はバフがうまく効いている時なので、【ガルヴァドン】の出番はほとんどない。
そんなところも愛おしい。そう思う人だけ使ってみてほしい。
(次回はデスナイトの勝率最下位という噂のウォリアーを予定)
あるクエストパラディンの話と、改宗プリースト
ある日、漫然とHearthPwnを眺めていたところ
俺はこんなデッキを見つけた。
IT WORKS IT WORKS! Quest Paladin 50.1% Winrate! - Hearthstone Decks
いつの日にか俺が夢見、そして夢破れた、クエストパラディンのデッキだ。
どんどん更新がかかっていてもはや原型を止めていないようなので、俺が見て感銘を受けたバージョンに近いものを下に貼っておく。
試してみると、序盤からガシガシミニオンにバフして攻めるアグレッシブなデッキで、とても気持ちいい。
特に【魔力異常体】を使ったアイデアが出色で、2マナ目から【魔力異常体】に【聖なる力】をかけて3/4とする動きが大変素敵。処理されなければここにどんどんバフをかけて、単騎で攻めて行くこともできる。
手札が尽きたころに【ガルヴァドン】が手に入っていれば、素早く決着を付けることも可能だし、【ガルヴァドン】抜きでも十分戦えるようになっている。
そして何より、デッキの説明に書かれた文章がいい。
意訳)
もし君が「簡単にランク5まで行けるデッキ」を探してるなら、どうぞ帰ってくれ。
そうではなく、「勝率50.1%だけど生き生きとした人生を送れるデッキ」を君が探しているならば、ようこそ友よ、読み進めてくれ。
要は「ごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ、俺はガルヴァドン使いてーんだよ!」ってことだ。潔い。
うーん、やっぱこれだよなー。楽しくなきゃなー。
よし、俺もまた楽しいデッキ作ろー。クエローグもちょうど弱くなったしー。
で、いろいろやりまして。
この度、ついに「がんばるアンドゥインwith改宗プリーストinウンゴロ」ができました。密林で暑苦しいローブに身を包み、恐竜相手の改宗に精を出す。そんな無駄に汗をかくアンドゥインをイメージしてご覧ください。
(※ 改宗プリーストを記事にするのは今回で三度目だが、本来そんなに好きではないということは明記しておきたい。いや、嫌いでもないけど)
基本はクラーケン年の改宗プリーストに準ずるが(旧バージョンはこちら)、大きく異なるのは【埋葬】がなくなった点である。
問答無用でミニオンをこちらのデッキに入れてしまう破壊力。とりあえず困ったら埋めとけという便利さ。在りし日には、その聖職者にふさわしい「臭いものには蓋をせよ」的潔さに感涙したものである。
しかし【埋葬】は失われた。
新しくデッキに入ったのは【影の幻視】と、最近とみに活躍の場所が増えたと思ったらクエストローグをナーフされてまた影が薄くなったと評判の【若き酒造大師】である。
これらのカードが入ったことで、足りないと思われていた相手のミニオンを パクる 拝借する動きが、意外と大丈夫なレベルまで持ち直したと言っていいだろう。
特に【酒造大師】はなんやかんやでキーカードレベルに重要なポジションを獲得した。
カード解説
ではまず、基本となるカードの使い方と、その組み合わせを書いておく。以前と重複してしまうものもあるが、そこはまあ改めてってことで。
【狂気ポーション】
本デッキの基本にして永遠。
アグロ相手なら初手必須と言っていい。序盤のミニオンを処理して「相手がアンドゥインに与えるダメージを少なくする」というのが基本の使い方だ。
応用としては、こちらの場に持ってきた後で【若き酒造大師】を使い手札に入れてしまうという使い方もある。これだとパクったミニオンの雄叫びも使えて得した気分になれる。
中盤以降であれば、【縮小ポーション】⇒【狂気ポーション】でこちらに持ってきてから、【若き酒造大師】で手札に入れるという荒業も時々使える。このコンボでアタック5まではこちらのものにすることができるので、【アヤ・ブラックポー】とか【イセラ】と言った、強力なミニオンまでパクることができる。
しかもこれだけやって4マナ。非常に強力なだけに、使いどころは慎重に見極めよう。
【縮小ポーション】
影の実力者的なポジション。使い方はほぼ2通り。
①【縮小】⇒【密言・恐】でアタック5以下のミニオンを一掃
②【縮小】⇒【カバルの影の僧侶】でアタック3から5のキーミニオンを奪う
①の使い方はもうそのまんま。ミニオンを横に並べられて、ついにアタック5まで出てきたような戦況。次のターンに殴られると厳しいぞ、って時におもむろに使う。
②は挑発ウォリアー相手の時など、挑発を何体も並べられた局面で使うと強力。【ダイアホーンの幼生】とか【巣作りロック鳥】とか、激怒した【ブラッドフーフの勇士】でもこちらに持ってこれる。しかも【僧侶】本体の4/5付き。
それ以外にもアタック5で置いとくだけで強いミニオンなんていっぱいあるので、狙える時は 盗んで 改宗してしまおう。
【ドブネズミ】
いないと困る。これも使いどころは2つ。
① アグロ相手に出す
①はまあ普通の使い方だ。海賊ウォリアーとかフェイスハンターは、2/6挑発の壁でやられてしまう小サイズのミニオンが多い。さらに【ドブネズミ】で出たミニオンは雄叫びが発動しないので、【ブラッドセイルの略奪者】とか【猛獣使い】を素で引きずり出せたりすると、大分楽になる。
ただ時々【サバンナ・ハイメイン】などが出て来ると困るので、【大いなる解呪】か【密言・死】は持っておいた方がいいかもしれない。
②は良くわからないと思うので解説。
まず、このデッキは【翡翠ドルイド】が大の苦手である。こちらも向こうも終盤勝負で、デッキ切れ近辺が勝負どころなのだ。しかしこちらと違って【翡翠ドルイド】は、デッキが切れるあたりから飛躍的に強くなってしまう。こっちは最高で巨人の8/8なのに、あっちは毎ターン10/10以上の翡翠ゴーレムを出して来るわけで、普通にやったらボコボコに殴られて負けてしまう。
つまり、どうがんばってもデッキの構造上不利なので、少しでも勝率を上げるために【ドブネズミ】を使うのである。
【翡翠ドルイド】には翡翠のゴーレムを雄叫びで出すミニオンが多数入っている。
【翡翠の精霊】【翡翠の巨象】【アヤ・ブラックポー】だ。これらを【ドブネズミ】で引き出すことで、ゴーレムの成長を遅らせる作戦である。
何なら【酒造大師】を使って2回以上【ドブネズミ】をプレイしてもいい。そうすることで、終盤のゴーレムの強さがかなり変わる。7/7までならこちらの巨人で対処できるし、勝ち目もわずかではあるが出てくる。
実戦では【ドブネズミ】でうまくミニオンを出せたことで手を遅らせ、最終的に巨大ゴーレムを【精神支配】して勝てたケースがいくつかある。
【翡翠ドルイド】には【ドブネズミ】。くれぐれも忘れないように(それが聖職者らしいのかと言えば疑問ではあるが)。
【影の幻視】
まさにこのデッキのために生まれたと言っていいほどハマった。
このデッキを使う上では、なるべく相手のミニオンを「まとめて処理する」ことが肝要だ。アタックが小さいミニオンは野放しにして、【狂気ポーション】なり【密言・恐】なりで「まとめて倒す」。そうしないと、相手のミニオン数に対してこちらの呪文が足りなくなってしまうからだ。
必然、3ターン目まで「ヒーローパワーで自分を回復」みたいな動きが多くなる。相手のアクションに対してこちらが対処していく戦法なので、しばらくは相手の動きを待っていることも多い。
そこで、2マナ払って【影の幻視】をプレイして、こちらの手札を充実させておくことができるわけだ。
相手が速いデッキなら、アグロ処理用の【狂気ポーション】とか【密言・恐】とかを取る。プリースト相手でなければ【ドラゴンファイア・ポーション】もいい。
体力が心もとない時に【上級回復ポーション】を増やせるし、相手の出方によって先に欲しい呪文を取って置くことができるので大変便利なカードである。
【若き酒造大師】
彼は、身も蓋もなく言ってパクり要員だ。
【狂気ポーション】で持ってきても倒しきれない場合、【酒造大師】で手札に入れてしまえばいいという発想である。
例えば相手の場がこんな時。
【泡を吹く狂戦士 2/4】【フェアリードラゴン 3/2】
こんな時に【狂戦士 2/4】を取ってきて【フェアリー 3/2】を殴っても、【狂戦士 4/1】が残って相手に戻ってしまう。
しかし手札【若き酒造大師】さえいれば、こいつは俺の信者である。もう一度出せばすっかり過去の記憶を無くし、俺のために泡を吹いてくれる。まさに洗脳。
他にも雄叫びミニオンを戻すことで、例えば【カバルの影の僧侶】を2回使えたり、【ガーディアン・アティシュ】が2回装備できたりと便利なことこの上ない。
最初はこの役割に【マダム・ゴヤ】を使っていたのだが、やはり6マナは高い。2マナでこの動きをしてくれる【酒造大師】は、小回りが利いて非常に強い。
【密言・死】
俺たちの【大物ハンター】。
なーんも考えず、ヤバいミニオンに使えばいい。
ただし手札に【縮小ポーション】【カバルの影の僧侶】がある場合は、そのミニオンが欲しいかどうかを良く考えて使おう。パクるのか倒すのか、この後どんなミニオンが出てくる可能性があるかも含めて、熟考してから使うべし。
【影の狂気】
ほぼ【狂気ポーション】と同じ使い方。というか、【狂気ポーション】の枚数を4枚にするという意味も込めて入れてある。
必然、アタック2のミニオンに使う(もったいない)ケースも多いが、それが必要だと思ったら躊躇なく使おう。
【上級回復ポーション】
命綱。
序盤の猛攻を凌ぐために必要なことも多いし、持ってなければ【影の幻視】で1枚増やして、事なきを得ることもある。
ほんと12点回復ってすごいよね。アグロのやる気を削ぐのに十分。
【大いなる解呪】
意外と使えるマン。
バフしまくったハンターの獣たちとか、膨れ上がった【泡を吹く狂戦士】とかを落ち着かせることもできるし、【剣竜騎乗】とか断末魔ミニオンを弱体化させることもできる。
例えば【動き回るマナ】で7体出して、さらに【蓮華紋】でバフしたような状態を考えてみてほしい。普通に考えるとめっちゃピンチですわな。次ターンに21点で殴られるわけだから。
しかしそんな時、慌てず【大いなる解呪】⇒【密言・恐】とやると、なんと相手のマナが7個も失われたまま回復せず、しかも場にミニオンが残らない。
マジでこれをやると、一瞬にしてドルイドが木偶人形のようになってしまうので、逆にかわいそうになります。ぜひお試しあれ(ひどい)!
【密言・恐】
このデッキのエースと言ってもいい。全体除去の要である。
これまで散々説明したように、序盤の小型ミニオンや、中盤に【縮小】と一緒に使用する。これでアタック5までのミニオンは全て倒せる。
アタック6以上の敵は【縮小】を使っても倒せないが、そういうピンポイントな脅威には【密言・死】を使えばいいし、終盤には【精神支配】もある。
とにかくタイミングを誤らずに「まとめて一気に」倒すことを心がけよう。
【オニキスのビショップ】
アグロに対しては【ドブネズミ】を出していることが多いので、こいつで復活させると非常にコストパフォーマンスがいい。
デッキにミニオンが少ないので、【魔力の巨人】が復活する可能性が高いのも良い点。
【カバルの影の僧侶】
【縮小ポーション】のところで書いた使い方はもちろんだが、何も考えずにアタック2のミニオンを奪うだけでもそれなりに強い。
プリースト相手なら【トートランのシェルレイザー】とか、【真言・盾】をかけた【光熱のエレメンタル】が素で奪えるわけなので、かなり得した気分になれるぞ。
【ドラゴンファイア・ポーション】
現行のドラゴンデッキはプリーストしかいないと言っていいので、プリースト以外にはとても有効な全体呪文。
こちらのデッキからはミニオンがほとんど出ないので、相手が調子に乗ってミニオンを連発して来たら、【ドラゴンファイア・ポーション】で盤面をクリアして、こちらは被害なし。みたいなこともしばしばある。
【ガーディアン・メディヴ】
旧改宗プリーストの時に気づいていればもっと戦えたと思うほど、重要なフィニッシャーになりうる。その存在感はまさにレジェンド。
何と言っても次ターンに【精神支配】で相手のデカいミニオンを奪う動きが強い。10マナミニオンはどれもスタッツがいいので、クトゥーンとンゾス以外はそれなりに当たり。
【ヨグ=サロン】もスタッツは微妙だが、次ターンまで生き残っていれば【酒造大師】で戻してワンチャンあるぞ。
精神支配以外でも、4マナ以上の呪文であれば使って良し。ごく稀にそのまま殴って最後の1点が入り、勝つこともなくはない。
【精神支配】
相手のデカいミニオンをパクる。その使い方しか思い付かなかった君は、聖職者失格である(暴論)。
使われてみるとよーくわかるが、このカードの意義は「抑止力」にある。満を持して出したミニオンをあっさりパクられて呆然としたこと、あるでしょ?
だから、1枚目を出した時点で相手に疑念を植え付けるのだ。
「やべ、精神支配あんのかよ!」
「もう一枚あるかもしれないから、こっちから先に出そう!」
てな感じで、盤面の進みを遅らせることができる。その間にこちらの手札が整って、最終的にいろいろ間に合った。というケースも多い。
これはもはや心理戦である。
相手の心に一番ダメージを与えられる方法を、慎重に考えて使おう。こっちが手札をたんまり抱えてるだけで、焦れて爆発してくれる異教徒もいるしね!
【魔力の巨人】
呪文満載のデッキのため、ほとんどのケースで割安な8/8として出せる。しかも終盤引いてきたら0マナなので、気軽に出せる。
たまに復活もしてくれる。大師で戻して回復もできる。まあ便利なミニオンですわな。呪文主体のデッキには2枚入れといて問題ない。
戦術とかデッキ相性とか
このデッキは、ミニオンをベースにしたデッキに対してはかなり戦える。
相手の出してきたミニオンに対して、効率の良い除去を心がけていれば、最終的にアドバンテージを取れる。
まず、アタック2までは放置する。そして手持ちの【狂気】を使って2体同時に倒せるようなら倒す。倒しきれない場合でも【酒造大師】があるなら、手札に戻して自分のものにする。
【密言・恐】は安易に使わないようにしよう。使いどころは、アタック2以下のミニオンが3体以上いて、5以上のダメージが出る場合。もしくは手元に【縮小】があり、アタック5までのミニオンを含めて3体以上除去できる場合などだ。
とにかく効率良く、呪文を無駄にしないように心がけよう。黙ってヒーローパワーで2点回復していてもそれほどライフの減りが大きくない状況(1ターンに5点未満)なら、こちらから動く必要はない。
そんなこんなで、ミニオン主体のデッキが相手であれば、ミニオンをパクって【復活】させたりとかしながらしのいで、【魔力の巨人】を出したり【メディヴ】からの【精神支配】で【デスウィング】を出したりして、勝てる。
ミニオン主体のデッキには(こちらのパズルを間違えなければ)間違いなく相当戦えるはずだ。
で、問題はこのデッキの弱点だ。
実際に対戦すれば分かるが、「後になればなるほど強くなるデッキ」とか「呪文主体のデッキ」には不利である。
前者は【翡翠ドルイド】とか【クエストメイジ】とか【フリーズメイジ】。後者はメイジ全般。
つまりはっきり「メイジが苦手」と言っていいだろう。
メイジは他のヒーローに比べてミニオンが少なくなる傾向にあり、しかもプリーストにとって有用でない秘策関連のミニオンが多いため、ミニオンを奪ってもあまりいいことがない。例外として【アントニダス】を【縮小】+【僧侶】で盗めるとかなり優位に立てるが、その前に圧倒的火力に押されて負けてしまうこともある。
一応【幻視】で【上級回復ポーション】を持ってきておいて回復量を増やし、【アレクストラーザ】を使われた後に回復して相手のプランを崩す。などやりようはあるが、基本的には劣勢である。【ドブネズミ】で積極的にミニオンを引きずり出して処理してしまうという戦い方もあるにはあるが、なにぶん確率なので最低でも【大いなる解呪】は欲しい。
クエストメイジに至ってはさらに深刻で、ほとんどミニオンがいない上に、フィニッシャーは追加ターンで出てくるのでなす術がない。
あと【翡翠ドルイド】は最も苦手なデッキなので辛酸を舐めることになります。もう翡翠が出た時点で勝率3割ぐらいなんじゃないかな。
詳しくは前回のエントリーと、【ドブネズミ】の項を参照のこと。
代替カードの話
このデッキについてはっきり言えるのは、ダストが安めであること。
唯一のレジェンドはアドベンチャーで必ず手に入るし、【魔力の巨人】と【オニキスのビショップ】も同じカラザン収録だ。
もしカラザンなんて死んでも買わねーぞ、って人がいるなら、代替カードは【山の巨人】だと思う。序盤は手札溜まりがちだし。
しかし、それよりは圧倒的に【メディヴ】⇒【精神支配】のコンボが強いし、終盤にコスト0で出せる【魔力の巨人】には敵わない。【復活】もスタン落ちしてるので、【オニキスのビショップ】が無ければミニオンの数が減ってしまう。
つまり、カードを入れ替えるとほとんど別のデッキになってしまうので、聖職者になるための寄付金だと思って、おとなしくカラザンを買うことをお勧めするよ。
まとめ
いろいろと書いてきたが、このデッキで勝つために必要なのは、押し引きのセンスと、パズルを間違わない慎重さだ。
例えば【密言・恐】をいつ使うのか、という問題。
基本的にはミニオンを溜めてからまとめて処理するのがセオリーだが、ハンターが相手の場合には【猛獣使い】の対象となる獣を残さないほうがいいので、先んじて使う。などと言うような、場面場面で考える力が求められる。
先述した【精神支配】の使いどころもそうだ。
【影の幻視】で増やす以外には、最大2枚しかデッキに入っていないので、他の処理選択肢がある場合に、どちらを選ぶかが後々生死を分けることもある。
基本的な考え方は「自分に役に立つなら奪う」である。【アントニダス】は普通に使えるから奪う。【ン=ゾス】は断末魔がいないので【密言・死】で倒す。等々。
また、1点を巡ってミスしないことも非常に重要である。
相手の場に【獣の相棒】から出た【レオック】などがいて、一時的にアタック値がプラスされているような時、こちらの場に持ってきた途端アタックは元の値になってしまうので注意が必要だ。
こう言ったミスをすると、結局全てのミニオンが残ったままで、しかもこちらの呪文は無くなってしまうので、ほとんど投了しても良いくらいの失策である。
自分のライフがあとどれくらい持つかも、常に意識しておいた方がいい。
「次のターンにどれくらいダメージが出そうか」を考えておけば、回復するか呪文でミニオンを処理するか、と言った選択の順番はわかるようになってくる。
例えば、メイジ相手であれば【パイロブラスト】でやられないために11点は残しておく必要があるとか、シャーマンなら【血の渇き】でプラスされるダメージを常に計算しておくとか。
手札と場のみならず、次の相手の行動とそれに対するこちらの行動までを、いつもグルグル考えているといいだろう。元々ハースストーンってそういう力が求められるけれど、それをもっと追求するような、そんなデッキであると俺は思う。
最後に)
今のところ、このデッキの勝率は6割弱だ。
めっちゃ強くもないし、戦えないほど弱くもない。理論上はレジェンドに到達できるレベルである。
でもまあ、そんなことはどうでもいい。
「ほとんどミニオンがいないデッキで、基本相手のリソースをパクって勝つ」という極端なコンセプトでそこそこ遊べるって楽しい。
それでいいじゃないの。
あ、次回更新はおそらく【凍てつく玉座の騎士団】のカードが出そろってから。レビューをするかもしれない。
んじゃ、また。
追記)
意外と【翡翠ドルイド】には分が良くなってきた。【メディヴ】から【精神支配】が決まれば圧倒できるな、意外と。
むしろ問題は、アグロ相手の瞬殺パターン。【ドブネズミ】【狂気ポーション】【密言・恐】がないと4ターンぐらいで負けが濃厚になってしまう状態。
まあ6枚のうち1枚も引かない確率は、7枚目(全マリガンの先手2ターン)で2割を下回るので、 偏っただけと考えよう。
デッキ構築について③ ~確率の話の詳細~
「デッキ構築について②」の計算部分を解説しようと思ったんだけど、どうやらmarkdown記法じゃないと数式を出すのが面倒っぽかったので別エントリーにしました、の巻。
まず一つ目。 「デッキにa枚入れたカードをn枚目までに引く確率」について。
これは「2マナのカードを何枚入れたら2ターン目までに引く確率が高いか」というような場合に使う。
デッキ総数:30 デッキ中の引きたいカード枚数:a 実際に引いた枚数:n n枚引いた時に1枚以上引きたいカードを引いている確率:P
まずは、n枚引いた時に1枚も引きたいカードを引かない確率Qを考える。
Qは[n枚引いたときに全て外れのパターン数]/[n枚カード引く時の全パターン数]で表せるので、以下のような式になる。
PはQが起こらなかった場合の全てなので、1-Qする。
これをExcelの関数を使って表にしたわけだ。
=(1-(COMBIN(30-[a],[n])/COMBIN(30,[n])))*100
こんな感じで。
この計算は「少なくとも1枚引く確率」を求めるので、序盤から中盤にかけての安定性を担保するために使うことが多い。
例えばクエストローグには【影隠れ】【ガジェッツァンの渡し守】【若き酒造大師】と6枚の「手札に戻す」カードが入っているわけだが、その内1枚でも引く確率は6枚引いた時点で77.3%。つまり先手3ターン、後手2ターンで1枚は手札に入る。全マリガンなら先後問わずに1ターン目で手に入る。もし手札に1枚既に持っているなら、残りを全てマリガンしたとして後手1ターン、先手3ターン目に2枚目が手に入る。
これって超速いよね。早期クエスト達成の安定感が別格なのはこういう理由なんだと思う。
次はこれ。
デッキ総数:30 デッキ中のキーカード枚数:a 手札に入れたい枚数:s 実際に引いた枚数:n n枚引いた時にs枚以上引きたいカードを引いている確率:P
これは「リーサル用のコンボパーツを6枚入れてるんだけど、その内3枚がそろえば勝てる」みたいなデッキに使う。
3枚コンボパーツを引けるのがどのくらいのタイミングなのかを知ることで、それまでにどれくらい耐えればいいのかという視点でプランを立てることができる。
計算方法は以下。
n枚引いた時 [s枚, s+1枚, …, a枚]の各枚数について 成功するパターン数 / カードを引く全組み合わせ を計算し、全て足し合わせる。
まずs枚の場合を考える。
分母はn枚引いた時の全てのパターン数なので、デッキ総数からn枚選ぶ順列でok。
分子はn枚引いた時に「s枚ちょうどキーカードを引いた」パターンの数。 これは「当たりだけの順列パターン×外れだけの順列パターン×全体の中での当たりの位置パターン」で出せる。
それぞれ見ていくと、「当たりだけの順列パターン」はキーカード全体a枚の中から、当たり枚数(この場合はs枚)を引くパターン。
これが当たりをお望み通り引いた時の、当たり内のカードの順列。
次に「外れだけの順列パターン」は「デッキのキーカード以外から選ぶ順列」なので以下の通り。
最後に「全体の中での当たりの位置パターン」。
これは、引いた数の全体の並びの中でどこに当たりが位置しているかなので、n枚中s枚選ぶ組み合わせである。
これにより、分子は以下のように計算できる。
で、こうやって求められた「分子 / 分母」をs枚からa枚まで足し合わせると、ようやく「30枚中a枚入っているカードをn枚引いてs枚手に入れる確率」が求められる。 長い。
こういうのって、うまく伝えるの難しい。まあ参考程度によろしくお願いします。
[おまけ]
2番目のやつで実際に使ったExcelのマクロを貼っつけておきます。
補足としては、上の方に定義してある「keycardCount」「deck」「threshold」は、それぞれExcel上でキーカード枚数とデッキ枚数と閾値を設定しているセルからデータを取っています。あと、謎のループ内にある変数kも、セル番号を指定する用のものなのでいきなり3から始まってるけど、1と読み替えると読みやすくなるんじゃないかしら。
これもまあ慣れてないと何が何やらなんだけどさ。
Sub 計算() Dim keycardCount As Integer keycardCount = Range("C3") Dim deck As Integer deck = Range("C2") Dim threshold As Integer threshold = Range("C5") For k = 3 To keycardCount + 2 Cells(8, k) = k - 2 For j = 9 To 35 Dim res As Single res = 0 For i = k - 2 To keycardCount Dim a As Double Dim b As Double Dim c As Double Dim d As Double Dim e As Integer Dim f As Integer Dim r As Single e = deck - keycardCount If Cells(j, 2) < i Then Exit For f = Cells(j, 2) - i If e < f Then Exit For a = Application.WorksheetFunction.Permut(keycardCount, i) b = Application.WorksheetFunction.Permut(e, f) c = Application.WorksheetFunction.Permut(deck, Cells(j, 2)) d = Application.WorksheetFunction.Combin(Cells(j, 2), i) r = a * b * d / c res = res + r Next res = Application.WorksheetFunction.RoundDown((res * 100), 1) If res >= threshold Then Cells(j, k).Font.ColorIndex = 3 Else Cells(j, k).Font.ColorIndex = 1 End If If res = 0 Then Cells(j, k) = "-" Else Cells(j, k) = res End If Next Next End Sub
【エレメンタル酒造】の紹介
休止後もだらだらとプレイを続けている。
特に何が変わったということはないのだが、強いて言えば、より狙ってデッキを作るようになった。
「狙って」とはどういうことか。
世にパラディンが流行り出した結果、今度はもっと使われないヒーロー、もっとマイナーなデッキを追い求めるようになってしまったのである。
(見づらい!)
左から、まず普通に作ったクエストウォーロックデッキ。これはそこそこ回るものの、クエローグとか海賊ウォリアーに速度で負けるので、もう少しコントロール寄りで行こうと決意した。
次に真ん中のコントロールぎみデッキを作った。これは破棄する枚数を抑えめにし、中盤以降に勝負所を持って行ったデッキだ。除去呪文も大量に入れて、中盤まで凌げる構成にし、いざとなったら【デスウィング】でクエストノルマを達成する。相手のミニオンを全てクリアすることができるので、ゆっくりとポータルで勝つ作戦だ。
実戦すると、何とかなることはなる。しかしポータルを出しても、場が安定するまでにこちらのライフが危なくなっていたりして、それほど安心はできなかった。もう少し余裕が欲しいという感想である。
ならばと、最後に右の「普通のコントロールデッキとして運用しおまけでクエスト達成するデッキ」を試してみた。このご時世にハイランダーデッキを組むという、極端な構成だ。
何度か試した結果、ここまで行くとそもそもクエスト無くてもいいという結論に至る。さらに、昨年までレノロックを構成していたカード群がスタンダード落ちしているため、パワー不足は否めない。
結果として、また最初の普通にクエストを達成するデッキに戻ったりして、十分戦える【クエストウォーロック】を見つけることはできなかった。
で、目先を変えて作ったのが、今回の本題【エレメンタル酒造】である。
エレメンタル酒造。
いい名前だよね。
ここ最近デッキに付けた名前で、一番いい。
大小さまざまなエレメンタルを樽に詰め、せっせと出荷する。そんな酒蔵の風景が目に浮かぶようではないか。
【エレメンタル酒造】
まさかのハンターデッキである。
デッキの構造を詳細に書くならば、このデッキは【エレメンタルコントロールクエストハンター】だ。
が、それでは長いのでデッキの核になるエレメンタルカードと【若き酒造大師】の名前を取って【エレメンタル酒造】とす(feat. ゲーム帝国)。
・デッキ作成の成り行き
基本的にハンターのクエストは達成が速めである。しかしいくつか試した結果、初手からごり押ししていくデッキは、相手ミニオンに対処できずに押し負けるパターンが多かった。要はクエストを達成しても、ライフがギリギリだったりしてあまり利点を享受できずに負けてしまうパターンだ。ここまではウォーロックと同じなのだが、ハンターには優秀除去【必殺の一矢】がいるし、秘策もあるのでコントロール寄りにしてみたらいいのではないかと思ったのだ。
・1マナミニオンについて
1マナミニオンは【ファイアフライ】と【飢えたカニ】のみ、全て出しても6枚しかないので、他の手段で1マナミニオンを手に入れる必要がある。
もちろん最有力は、デッキ名の由来でもある【ファイアフライ】への【若き酒造大師】である。3マナで【ファイアフライ】を出してから手に戻す動きで、カード2枚で実質4回1マナミニオンを召喚できる。パッと見は【影隠れ】に比べて効率悪そうなんだけど、場にしっかり3/2が残るというのは良い点。
後は【火成のエレメンタル】で2枚手に入れるか、【カリモスの下僕】で【ファイアフライ】を引くということになるが、どちらも確定ではないので注意しよう。特にメイジとシャーマンが相手の場合、【動物変身】や【呪術】を使われると【火成のエレメンタル】から1マナが出なくなるので、要注意である。
・戦術など
1マナミニオンを十分手札に入れるまでは、他の呪文カード等で時間稼ぎをすることになる。
【凍結の罠】【爆発の罠】は、相手を見て使いどころを間違えないようにしよう。横並びのデッキなら【爆発】、遅そうなら【凍結】。
【飢えたカニ】も、相手によっては重要なコントロール要素になる。アグロで【ブルーギル・ウォリアー】が出そうな時や、パラディン相手の場合はすぐ使わずに待ってみよう。
また【猟犬を放て】と【カルトの教祖】のコンボはベーシックだけど強力なので、積極的に狙おう。場に1/2のエレメンタルが多数出ている時にも、【カルトの教祖】でドローするチャンスだ。大抵1/2ミニオンは放っておかれるので、とりあえず出しておくのも悪くない。次のターンに大量ドローが見込める。
【タール・クリーパー】と【トルヴィアのストーンシェイパー】は、大切な防御カードである。ハンターに似つかわしくないエレメンタルミニオン達をうまく使って、最大限に効果を発揮できるようにしよう。エレメンタルをつなげる意味でも1マナで使える【ファイアフライ】は非常に重要である。
このデッキはクエストを達成しつつ、盤面を相手に渡さないようにコントロールするデッキだ。大切なのは「慌てないこと」。これでも10マナまでにはかなりの確率でクエスト達成できる。考えなしに【ファイアフライ】をプレイせずに、じっくり構えよう。
たとえ出すのが遅れたとしても、1マナなのだ。いくらでも隙間のマナは生まれる。極端に言って、7マナ目で7体出しても達成できるわけで、その調節しやすさが他のクエストとは段違いである。
・終わりに
というわけで、最近はこの【エレメンタル酒造】でずっとプレイしている。同時に新環境になった闘技場をたまにやるのだが、一つ物申したいことがあるんだ。
あのメイジの【メテオ】ってのは何だろうか。
【爆発の一矢】より1マナ多く払うだけで、中心に15点、サイドに3点ずつってひどすぎやしないか。【爆発の一矢】は中心5点、サイド2点だから、合計12点も【メテオ】の方が多い。
普通1マナで12点も増えるか?
最近使われていないカードだから上位互換を出したんだろうけど、これはちょっと改善していただきたい。せめて3体に4点ずつとか(それはそれで強すぎ)。
話はそれたが、そんな【エレメンタル酒造】。環境を知り、相手のデッキを知っていれば、結構勝てまっせ。
じゃあまた。